院長コラム

引き続き麻疹(はしか)に注意! ~田園都市線・半蔵門線の利用者に感染の可能性が~

2月25日、日本産婦人科医会から「妊娠している方へ麻疹(はしか)の流行についてのご注意」という通達がありました。
また、2月27日の千葉県の発表によると、市川市在住の麻疹感染者の30代女性が、2月下旬九段下-駒沢大学間の田園都市線・半蔵門線に乗車していたとの事です。
今回は、改めて麻疹についての情報を共有したいと思います。

 

 

田園都市線・半蔵門線に乗車された麻疹患者さんの情報について(千葉県健康福祉部疾病対策課の発表から)

2/20(水)

午前5時頃発の都営新宿線で本八幡から九段下、田園都市線・半蔵門線で九段下から駒沢大学まで乗車。

午後9時頃発の田園都市線・半蔵門線で駒沢大学から九段下まで乗車。

2/21(木)悪寒を認める(発症)。

2/22(金)

午前5時頃発の都営新宿線で本八幡から九段下、田園都市線・半蔵門線で九段下から駒沢大学まで乗車。

帰りのルート記載はありませんが、午後11時頃帰宅。

2/23(土)

午前8時半頃発の都営新宿線で本八幡から九段下、田園都市線・半蔵門線で九段下から駒沢大学まで乗車。

午後8時半頃発の田園都市線・半蔵門線で駒沢大学から九段下まで乗車。

2/24(日)発熱・発疹が出現(発疹期)。

午前9時頃発の都営新宿線で本八幡から九段下、田園都市線・半蔵門線で九段下から駒沢大学まで乗車。

午後4時半頃発の田園都市線・半蔵門線で駒沢大学から九段下まで乗車。

2/25(月)市川市内医療機関を受診。

2/26(火)遺伝子検査にて麻疹と診断。

上記の時間帯に都営新宿線、田園都市線・半蔵門線を利用した方は、麻疹患者さんと接触した可能性があります。発熱、発疹がみられましたら、まず内科などの医療機関に電話連絡し、ご相談下さい。くれぐれも、直接医療機関を受診されない様、お願い致します。

 

 

現在流行しているエリア

海外では、中国、東南アジア、東欧、イタリアなどで流行しており、麻疹抗体を持たない妊婦さんはこれらの地域へ旅行は避けましょう。もちろん、これらの地域からの旅行者や最近渡航した方との接触も注意しましょう。

国内では大阪府、三重県、愛知県で流行していますが、他の都道府県にも広がりつつあるようです。麻疹抗体を持たない妊婦さんは、しばらくの間、国内旅行も控えた方がいいでしょう。少なくとも、飛行機や新幹線などの公共交通機関の利用は避けましょう。

 

 

麻疹の症状

潜伏期間
約10から12日間。
症状前日から感染力があります。

初期症状
発熱・咳・咽頭痛・鼻汁・結膜の充血、目やになどが数日持続。

発疹期
いったん下がるように見えた発熱が一気に高熱となり、全身の発疹が広がります。

回復期
症状が出現し7~10日後には回復期に入り、解熱し、全身状態が改善しますが、解熱後3日を経過するまで感染力は持続します。

 

 

麻疹は空気感染するため、感染者と同じ空間、場所にいるだけで感染します。また、マスクも役に立ちません。
妊婦さんを除き、麻疹ワクチン接種歴や麻疹既往の記憶がない方は、麻疹抗体の有無を調べ、抗体がなければ積極的にワクチンを接種しましょう。