院長コラム

令和4年を振り返って

令和4年12月29日、今年の当院の外来診療が終了しました。
そこで今回は、令和4年を振り返り、今年行いました当院の取り組みについて、まとめてみました。

 

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種の推進

今年の4月から、国の方針としてHPVワクチンの定期接種が積極的に勧奨されるようになりました。さらに、昨年まで接種が控えられていた世代(キャッチアップ世代)に対しても、無料で接種が受けられるようになりました。このことは、子宮頚がんや尖圭コンジローマの予防の点から、非常に素晴らしい大きな出来事でした。
実は、都内での接種率は、積極的勧奨が控えられる前と比べて、まだまだ低いようです。ただし、当院では、小学校6年生から高校1年生相当の定期接種世代とキャッチアップ世代を合わせると、以前より接種人数が増加しています。
その背景には、外来を受診された思春期の方々へのワクチン接種の勧奨や、院長コラムでの情報発信があるのではと思っています。
来年も引き続き“草の根運動”で、HPVワクチン接種を推進していこうと考えています。

 

産後ケアの充実

当院では今年、分娩後の入院日数を初産婦さん、経産婦さんともに1日延長致しました。
たった一日ではありますが、入院中の指導やケアに関して、ゆとりを持って行う事ができました。また、妊産婦さんは心身共に休める時間が増えたことから、多くの皆さんに喜んで頂いております。
また、一度ご退院されたものの強い疲労感があり、ご家族のサポートも得られないことから“産後ケアハウス”のように数日間再入院して頂いた方もいらっしゃいました。
「助産師のケア」「母乳指導の充実」「栄養士による美味しい食事」は、当院の長所と思っております。来年も更に産後ケアを充実させて参ります。

 

中学校・高等学校での性教育授業・生涯教育授業デビュー

東京都教育委員会と東京都産婦人科医会との合同企画で、数年前から都内の公立中学校・高等学校に対して、産婦人科医による性教育授業が行われています。
私もご縁があって、今年からお手伝いすることになりました。初年度の今年は、世田谷区立中学校2校、都立高校2校、合計4校で授業を行いました。どの学校の生徒の皆さんも熱心に聞いて頂き、たくさんの感想や質問を頂きました。
来年もより分かりやすい授業を心掛けて、多くの中学生、高校生の皆さんのお役に立てればと考えています。

 

スタッフ一同、来年も地域の産婦人科医療の充実に向けて、尽力して参ります。
引き続き、宜しくお願い申し上げます。
寒い日が続きますので、皆様、体調にお気を付け頂き、よいお年をお迎え下さい。