院長コラム

緊急避妊薬の服用後に注意すべきこと

低用量ピル(経口避妊薬OC、低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬LEP)を定期的に服用していない女性、または子宮内避妊リング(銅付加IUD、子宮内黄体ホルモン放出システムIUSなど)を使用していない女性が、適切にコンドームを使用していない男性と性交した場合、妊娠してしまう可能性があります。
避妊をせず、またはできずに性交した方が避妊するための最後の砦が「経口避妊薬」です。最近は多くの方に周知されつつありますが、注意点について知らない方も少なくありません。
今回は緊急避妊薬服用後に注意すべきことを情報共有致します。

  • 避妊効果は100%でないため、服用後3週間しても月経様出血なければ妊娠の可能性が
    経口避妊薬を服用していても妊娠阻止率は80%程度にとどまるため、3週間経過しても月経が来なければ、必ず市販の妊娠検査薬で調べるか、産婦人科を受診して下さい。
    たとえ出血があったとしても、それが月経とは限らないため、できれば服用後3-4週間後に全員産婦人科を受診されることをお勧めします。

服用後2時間以内に嘔吐した場合や、次回月経までに避妊せず性交した場合は追加服用が必要
緊急避妊薬を服用しても、2時間以内に嘔吐した場合は薬の効果が発揮できないため、追加服用が必要です。
また、緊急避妊薬は排卵を数日後ろにずらす薬であるため、せっかく適切に服用したとしても、その後避妊せずに性交してしまった場合は、改めて緊急避妊薬を追加服用する必要があります。

・緊急避妊薬服用の翌日から低用量ピルを服用しても、最初の1週間は避妊効果なし
次回から計画的に避妊するため、緊急避妊薬服用した翌日から低用量ピルを服用し始めることは非常に良いことで、当院では原則として緊急避妊薬を服用された全員の方に、翌日からの低用量ピル服用をお勧めしています。
しかし、低用量ピルの避妊効果が発揮されるには1週間以上待たなければなりません。
従って、できれば低用量ピル服用の最初の1週間は性交しないように、もし性交するのであれば適切にコンドームを使用するようにしましょう。

緊急避妊薬は性交後72時間以内に服用しなければならず、性交後早ければ早いほど避妊効果が高くなります。
ただし、現在薬局では取り扱っておらず、取り扱いしている婦人科クリニックの診療時間内に受診しなければなりません。
緊急避妊薬はあくまでも「最後の手段」であり、繰り返す使用するものではないことをご承知おき下さい。