院長コラム

猛暑を乗り切る漢方薬

2023年の夏は例年に比べて暑さが厳しい印象があり、夏バテされている方も多いかもしれません。
猛暑が続くと様々な体調不良に見舞われますが、漢方薬で改善する場合があります。
今回は「株式会社ツムラ」さんの資料を参考に、猛暑を乗り切る漢方薬について、情報を共有したいと思います。

補中益気湯(ホチュウエッキトウ)

補中益気湯は夏やせ、夏ばてに用いる代表的な漢方薬で、全身倦怠感や食欲不振、多汗症などが効能・効果として記載されています。
当院では夏場に疲労感を訴える方に、第一選択薬として処方しています。特に産後のお母さんで、育児のため疲労がたまっている方に非常に有効です。

清暑益気湯(セイショエッキトウ)

清暑益気湯の効能・効果は、暑気あたり、暑さによる食欲不振・下痢・全身倦怠、夏やせです。
当院では、補中益気湯の効果が弱い方や、軟便・下痢を認める暑気あたりの方に処方することがあります。

五苓散(ゴレイサン)

五苓散は浮腫、悪心・嘔吐、下痢、めまい、頭痛などに使用される漢方薬です。
当院では、夏に限らず処方していますが、暑気あたりが効能・効果として記載されています。

六君子湯(リックンシトウ)

六君子湯は、比較的体力の低下した方で胃腸機能が低下し、食欲不振、みぞおちのつかえ感、手足の冷えなどを認める場合に使用されます。
暑いからといって、冷たい水分ばかり飲み、胃がもたれて食欲不振になった方に有用かも知れません。

女性の場合、特に妊婦さん、育児中のお母さん、更年期女性に、夏バテ・夏やせを起こしやすい方が多い印象があります。
体調管理には、適切な水分・ミネラルの摂取、バランス取れた食事、良質の睡眠が大切です。
是非漢方薬を上手に利用し、猛暑を乗り切る様にしましょう。