院長コラム

月経周期移動の方法

いよいよ受験シーズンが近づいて参りました。月経痛が重い方や過多月経が辛い方は、本命の試験日に月経が当たらないようにしたいのではないでしょうか。
今回は「女性医学ガイドブック 思春期・性成熟期編 2016年度版 」(日本女性医学学会編)を参考に、月経周期の移動方法について説明します。

 

 

月経のメカニズム

月経期の3~7日間、子宮内膜は剥がれて薄くなります。その後、卵胞から分泌されるエストロゲンの影響で、月経開始7日目頃から子宮内膜は厚くなり始め、月経開始14日目頃の排卵期まで内膜組織の増殖が続きます。排卵後、黄体から分泌される黄体ホルモンの影響で子宮内膜が妊娠に適した状態に変化し、約14日間内膜の厚みは維持されます。その間に妊娠に至らなければ、エストロゲン・黄体ホルモンともに減少し、その影響で子宮内膜は再び剥がれ落ちて月経となります。

このようなメカニズムの月経周期を移動させるには、大きく2つの方法があります。一つは、排卵期と同様なホルモン環境を早めに人工的に作ることによって、月経も早める方法です。もう一つは、あたかも妊娠したかのようなホルモン環境を作ってから、意図的にその環境を終わらせることで月経を遅らす方法です。

 

 

月経を早める方法

月経周期の3~7日目(できれば5日目)から、エストロゲンと黄体ホルモンの合剤(EP配合剤)を10~14日間服用します。服用を終了して数日すると、体からホルモンが抜けていき、それに伴って出血が起こります。

月経を早める方法では、月経を避けたい日にEP配合剤を飲む必要がないため、悪心・嘔吐などの副作用に悩むことはありません。ただし、内服薬終了後の出血がいつ起こるのか、何日間持続するのかを完全に予測することはできない旨、ご了承下さい。

 

 

月経を遅らせる方法

予定月経の3~7日前(約5日前)からEP配合剤を遅らせたい前日まで服用します。つまり、排卵から月経までのホルモン環境を人工的に延長させ、あたかも妊娠しているような子宮内膜の状態にします。内服を終了すれば、数日後に出血が始まります。

正しく服用すればほぼ確実に月経を遅らせることができますが、月経をずらしたい期間中EP配合剤を服用することになるため、悪心・嘔吐などの副作用が続く可能性がある旨、ご了承下さい。

 

 

当院ではEP配合剤は「プラノバール錠」を使用しています。
月経を早めるか、遅らせるかは、相談の上選択しますが、日頃から月経周期が規則的な方の場合、スケジュ-ルがはっきりと決まっていのであれば、まずは“月経を早める”方法を検討するのがいいでしょう。その場合、できれば月経5日目までに受診して頂くことをお勧めします。
ちなみに、月経周期変更は保険診療ではなく自費診療です。当院では「プラノバール錠」10錠処方した場合、7,200円(消費税込)となります。