院長コラム

“冷え”にご注意

12月に入り寒さが一段と厳しくなってきました。この季節、冷えに悩まれる女性も多いのではないでしょうか。
今回は、日本医師会発行「健康プラザ No.525」を基に、冷え対策をご紹介します。

 

 

冷えは“万病”のもと

昔から「冷えは万病のもと」と言われているように、冷えが原因で様々な症状をきたす事が知られています。身体症状では首や肩のこり、腰痛、頭痛、倦怠感など、精神症状では抑うつ、いらいら、不眠などを引き起こします。また、冷えは肌のくすみやかさつきといった美容面の悪化や免疫力の低下の原因にもなり得ます。

 

 

冷えと生活習慣

朝食を食べない、夜更かし、運動不足、湯船に入らずシャワーのみの生活など、不適切な生活習慣が冷えを助長します。また、野菜や果物が体にいいのは間違いありませんが、温暖な場所で採れる食材は体を冷やすものが多いといわれています。例えば、レタス・トマト・セロリ・キュウリ・ナス・バナナ・スイカ・メロンなどは体を冷やすため、夏にはいいのですが、寒い季節には加熱して召し上がるのがいいでしょう。

反対に、体を温める食材は、ショウガ・山椒・ニンニク・ネギ・ニラ・シソ・かぼちゃ・ナツメ・アンズ・シナモン・トウガラシなどで、日頃の食事に取り入れましょう。

 

 

冷えと漢方薬

先の体を暖める食材のうち、ショウガ・山椒・シソ・ナツメ・シナモンは様々な漢方薬に入っています。
次に、冷えでよく用いられる漢方薬についてご紹介します。

○ 加味逍遥散(カミショウヨウサン)

虚弱で精神不安・いらいらなどの精神神経症状が認められ、のぼせもみられますが、冷え症で肩凝り、疲労感が強い方に処方します。

 

○ 桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)

体格がしっかりされており、のぼせているが足が冷えやすい方に処方します。

 

○ 半夏白朮天麻湯(ナゲビャクジュツテンマトウ)

胃腸が弱く、頭痛・めまいの方に処方しますが、下肢の冷えにも有効です。

 

○ 十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ)

疲労倦怠、食欲不振の方で、手足の冷えを認める方に処方します。

 

○ 五積散(ゴシャクサン)

腰痛、神経痛などを認める冷え症の方に処方します。

 

○ 温経湯(ウンケイトウ)

手足がほてる月経不順の方に処方しますが、足腰の冷えにも効果があると言われています。

 

○ 人参養栄湯(ニンジンヨウエイトウ)

疲労倦怠で貧血も見られる方に処方することが多く、手足の冷えに対して非常に有用です。

 

 

「冷え症」とは漢方医学的な概念であり、生活習慣の見直しだけでなく、漢方薬を利用することをお勧めします。
これから寒い日が多くなると思いますが、体の冷えには十分警戒しましょう。