院長コラム

日本赤十字社医療センターと当院との連携

渋谷区の日本赤十字社医療センター(以下日赤医療センター)は、東京都の中核高次施設の一つであり、特に周産期領域では世田谷区・目黒区・渋谷区エリアの中心となっています。
当院からは少し離れていますが、駒沢通りを利用すれば往来しやすいため、妊婦さんを中心に、多くの方々を紹介させて頂いています。
今回は、日赤医療センターと当院との連携に関してお伝え致します。

〇セミ・オープンシステム
「妊婦健診は近隣施設で、分娩は日赤で」というのがセミ・オープンシステムです。
主に、日赤医療センターでの分娩をご希望されている方を対象に、当院では20年程このシステムを利用しています。
妊娠12週頃までは当院で妊婦健診し、妊娠15~20週頃に一度日赤医療センターを受診して頂きます。その後、再び妊娠32週頃まで当院で健診した後、日赤医療センターお戻り頂き、分娩管理をして頂きます。
前回の分娩が帝王切開であっても、基本的に経腟分娩を目指す数少ない施設の一つです。
また、最近は特に無痛分娩を積極的に行っているため、日赤医療センターでの分娩をご希望される妊婦さんが増えております。

〇母体救命搬送システム(スーパー母体搬送)
分娩前後の大出血など、母体救命のための搬送システムをスーパー母体搬送といいます。
都内の数か所の施設が受け入れ病院となっており、日赤医療センターもその一つです。
当院からは最も近い「スーパー母体搬送受け入れ施設」でり、これまでも多くの母子を助けて頂いております。

〇新生児搬送
分娩後の新生児の状況によっては、早めに新生児科医の診察が望ましいことも少なくありません、
日赤医療センターはNICUも充実しており、新生児搬送を依頼すると、新生児科医の同乗した救急車でお迎えに来て頂けます。
そのため、当院に救急車が到着してすぐに、新生児科医に赤ちゃんを診察をして頂けて、救急車内で処置・治療が可能なため、非常に有難いシステムです。
尚、新生児科での診察で異常なければ、再び当院に帰院し、お母さんと一緒にお過ごし頂く事ができます。

その他、骨盤位(逆子)の外回転術の依頼や婦人科疾患の腹腔鏡下手術目的など、多くの妊婦さん、患者さんを日赤医療センターへ紹介しています。
また、周産期のメンタルのトラブルに詳しい産科医、精神科医、助産師さんもいらっしゃるため、相談させて頂くこともあります。
当院としては今後更に、日赤医療センターとの連携を充実していきたいと考えております。