院長コラム

婦人科を受診して頂きたい症状~思春期編~

女性ホルモンが急増する思春期は、様々な月経トラブルが出現する時期でもあります。
今回は、特に思春期の女性が婦人科を受診すべき月経関連の症状についてお話します。

〇15歳を超えても初経がみられない
多くの場合、12歳前後に初経がみられることが多く、15歳以上になって初経がみられた場合を遅発月経、18歳になっても初経がみられない場合を原発性無月経といいます。
つまり、15歳までに月経がみられない場合、その後18歳までに月経が訪れるのか、そのまま原発性無月経になってしまうかは、その時点で予測することができません。
そのため、15歳を超えても、あるいは中学校を卒業しても初経がみられない方は、婦人科クリニックを受診し、子宮・卵巣の状態や、ホルモン環境を調べてもらうようにしましょう。

〇これまでみられた月経が3か月以上見られなくなった場合
これまでみられていた月経が、3か月以上見られない場合を続発性無月経といいます。
病的な続発性無月経の原因として、排卵障害をきたす多嚢胞卵巣症候群など、卵巣の疾患が隠れていることがあります。
また、過激なダイエットやスポーツなどにより、体重が極端に減少してしまう事も無月経の原因となることがあります。
ちなみに、性交の経験がある方で、月経予定日になっても月経が始まらない場合は、妊娠の可能性があるため、すぐに婦人科を受診するように(せめて市販の妊娠検査薬で確認)しましょう。

〇月経痛が生活や学業に悪影響を及ぼす場合
月経とは、子宮内膜組織が剥がれて排出される現象です。子宮内膜からプロスタグランディンという物質が産生・分泌され、その影響で子宮筋が収縮し、子宮内膜や血液が排出されます。
ただし、プロスタグランディンが多いと、子宮筋が過剰に収縮することとなり、月経痛が強くなります。
市販の鎮痛剤を服用する場合は、月経が開始する前から服用し始めると、プロスタグランディンの産生が抑制されるので鎮痛効果は高くなります。
ただし、月経痛をきたす重篤な病気が隠れている可能性もあるため、月経痛により生活に支障がみられるのであれば、早めの婦人科受診をお勧めします。

その他、月経前に心身の不調がみられる場合は、月経前症候群が疑われます。
また、月経時に血の塊が出る場合は過多月経、8日間以上月経が持続する場合は過長月経であり、貧血の原因となります。
月経関連で気になる症状がありましたら、お一人で悩まず、まずは相談するおつもりで婦人科クリニックを受診してみましょう。