院長コラム

性感染症を予防するには

令和4年11月、東京都から「梅毒急増中!」の啓発ポスターが送られてきました。
2021年の都の梅毒患者報告数が過去最多となり、特に20~40代男性と20代女性の患者さんが急増しているとのことです。
今回は、梅毒やクラミジア感染症などの性感染症を予防するための心構えについてお話します。

 

性行為を行わない

いわゆる性交だけでなく、オーラルセックスを含むあらゆる性行為を行わないことが、唯一100%の避妊です。
裏を返せば、「すべての性行為は性感染症の感染リスクが0ではない」という事をご理解下さい。

 

その時お付き合いしている方とだけ

もし、性行為を行うのであれば、その時お付き合いしている方とだけにしましょう。
不特定多数との性行為により、性感染症に感染するリスクは高まります。

 

男性は適切にコンドームの装着を

妊娠を希望しない場合に性行為を行う際、相手の男性には適切にコンドームを使用してもらいましょう。
最初から最後まで適切に装着してもらうのはもちろん、口や喉への感染を防ぐため、オーラルの時もコンドームを付けていることが大切です。

 

尖圭コンジローマの予防にはHPVワクチン(4価または9価)接種を

子宮頚がん予防で知られるHPVワクチンですが、4価ワクチン(ガーダシル)と9価ワクチン(シルガード9)は、尖圭コンジローマの原因となる2つのタイプに対しても予防効果があります。
令和5年3月までの定期接種に関しては、当院では「ガーダシル」をお勧めしています。
尚、令和5年4月以降、「シルガード9」が小学校6年生~高校一年生相当の方に対して、定期接種として公費で接種することが可能になります。
ただし、高校2年生~25歳の“キャッチアップ世代”の方は公費が利用できず、自費での接種となる旨、ご了承下さい。

 

避妊効果が高い低用量ピルですが、性感染症予防には効果が全くありませんのでご注意下さい。
もし、性交の経験がある方で、おりものの異常や外陰部の痛み・かゆみがみられたら、早めに婦人科を受診しましょう。
また、症状がなくても、パートナーが性感染症(または疑い)と診断されたのであれば、是非婦人科でご相談下さい。