院長コラム

当院の妊娠前と妊娠中のケアについて

12月3日は“いい(1)妊(2)婦さん(3)の日”だそうです。
今回は、「いい妊婦さん」になるための妊娠前と妊娠中のケアについてお話致します。

 

妊娠を予定されたら葉酸の摂取を積極的に

ビタミンB群である葉酸が妊娠初期に不足すると、二分脊椎などの胎児奇形が増加することが知られています。そのため、妊娠を予定されたら、葉酸を多く含む食品を積極的に摂取することが望まれます。
ただし、食事からだけでは葉酸の必要量を摂ることは困難であるため、妊娠する1か月前から妊娠12週まで、葉酸を含むサプリメントの摂取が推奨されています。
当院では、葉酸に加えてマルチビタミン、鉄、カルシウムなどがバランスよく含まれている「エレビット」を推奨しています。エレビットは、胎児の脊椎奇形の予防だけでなく、胎児発育にも好影響があり、常位胎盤早期剥離の予防効果も知られています。
できれば出産まで継続的に服用するようにしましょう。

 

妊娠中の鉄欠乏性貧血に対しては鉄剤の服薬を

当院では、妊娠9週前後、妊娠24週、妊娠30週、妊娠36週に貧血の検査を行っています。
妊娠中は、お母さんの鉄が胎児に移行することや、血液が薄まることで鉄欠乏性貧血になりやすい状態になります。すると、胎児の発育に悪影響を及ぼしたり、血液がサラサラになり過ぎて、分娩時の出血が増える危険性が増えます。
そこで、血液検査で鉄欠乏性貧血や鉄欠乏症が判明した場合、当院では積極的に鉄剤を処方しています。
一般的に鉄剤は、嘔気・下痢・便秘などの消化器症状をきたすことが少なくありません。そこで当院では、比較的副作用の少ない鉄剤「リオナ錠」や漢方薬「人参養栄湯」を第一選択として処方しています。

 

妊娠中は当院の「マタニティヨガ」動画配信のご利用を

妊娠中の腰痛に対して、無理のない範囲でマタニティヨガを行うことは非常に有用です。
また、ストレス解消や安産にも効果があることが知られています。
現在コロナ禍のため、リアルでのマタニティヨガは残念ながら開催を見合わせております。
そのかわり、当院受診の方全員に、当院で作成した動画配信のQRコードをお渡ししています。是非、動画を見ながらのマタニティヨガをお楽しみ下さい。

 

妊娠中は不安になることがいっぱいあるかと思います。
当院で妊婦健診をされている方は、お一人で悩みを抱え込まず、ご遠慮なく私や助産師にご相談下さい。
お母さんと赤ちゃんのために、スタッフ一同サポートして参ります。