院長コラム

思春期女性が産婦人科を受診する“はじめの一歩”

初経を経験する12歳頃から、女性ホルモンが安定してくる18歳頃までの思春期女性は、月経トラブルなどの婦人科疾患を抱えていることも少なくありません。
しかし、思春期は、産婦人科を受診するのに抵抗を感じる世代でもあります。
今回は、思春期女性が婦人科を初めて受診するタイミングについて、提案させて頂きます。

 

HPVワクチン定期接種の場所として

小学校6年生から高校1年生相当の女子は、子宮頚がんの予防としてHPVワクチンを無料で接種することができます。
さらに、ワクチンの種類によっては、性感染症の一種である尖圭コンジローマの感染予防も期待できます。
そのため、現在国を挙げて積極的に接種が推奨されています。
その接種場所として、かかりつけの小児科クリニックさんを予定されている方も多いかもしれません。
もし宜しければ、婦人科疾患の予防接種ということで、HPVワクチン接種を“産婦人科デビュー”のきっかけにして頂ければと思います。

 

月経痛が強くなった時

思春期は子宮頸管が狭くて硬い未熟な状態であることから、月経血を外に出すために子宮筋の収縮が強くなります。
その結果、月経初日から2日目頃を中心に月経痛を認めることがあります。
多くの方は、市販の鎮痛剤で対応されると思いますが、服用のタイミングわからず、効果が発揮できないケースも少なくありません。
また、思春期で月経痛が強い方は、将来子宮内膜症になりやすいことが知られています。
もし、日常生活や勉強、
部活などに影響が出るほど月経痛が強くなってきた場合は、是非産婦人科を受診してみて下さい。
効果的な鎮痛剤や漢方薬、将来の子宮内膜症予防を見据えた女性ホルモン製剤など、お一人おひとりにあった月経痛治療を提案致します。

 

その他、月経前症候群、月経不順、不正出血が気になる時もご相談にいらして下さい。
彼氏ができた方には、避妊や性感染症予防についてお話します。
思春期女性の診察で、内診や経腟超音波検査を行うことはほとんどありませんので、お気軽に産婦人科を受診して下さい。