院長コラム

思春期女性に対する婦人科診察の流れ

思春期女性の場合、体調不良がみられた際は小児科を受診されることが多いと思います。
ただし、月経痛や月経前症候群などの月経トラブルや、帯下の増量や外陰部のかゆみといったデリケートゾーンのトラブルの場合は、早めに婦人科のクリニックを受診されることをお勧めします。
今回は、当院における思春期女性に対する婦人科診察の流れについてお伝えします。

 

問診票の記入

ご来院されたら、まず問診票をお書き頂きます。
中高生の場合、お母様とご来院されることが多いのですが、正直に書きづらい項目もあるかと思います。
その場合は、お書きにならなくても大丈夫です。原則として、ご本人のみにお話しを伺う時間を設けていますので、その時に詳しく教えて下さい。
尚、症状によっては、診察前に体重計測、血圧測定を行うことがあります。

 

診察室での医師による問診

診察室では、問診票を参考に現在の症状、過去の病気、アレルギーの有無などをお伺いします。
初めはご本人のみ、次いでお母様も同席して問診することが多いですが、状況により変更することもあります。

 

婦人科診察

月経痛、下腹部痛、過多月経などの場合、超音波検査で子宮・卵巣を確認しますが、性交未経験の方に対しては、原則としてベッドに仰向けに寝て頂き、お腹から経腹超音波検査を行います。
ただし、診断が難しい場合は、肛門から検査器具を挿入して経肛門超音波検査を行うことがありますが、ほとんど痛みはありません。
また、帯下や外陰部に異常がある場合は、内診台での診察を行うことがあります。ただし、性交未経験の方に対しては、原則として内診(人差し指を腟内に挿入する診察)は行いません。
外陰部を観察した後、検査用の細い綿棒を腟内に挿入して帯下を一部採取することがありますが、検査に伴う痛みはなく、処女膜を傷つけることもありません。

 

その他の検査

過多月経の場合は貧血の検査(採血)、月経不順・無月経の場合はホルモン検査(採血)、あるいは妊娠反応検査(採尿)などを行うことがあります。
また、超音波検査で子宮や卵巣に腫れがみられた場合は、MRI検査などの画像検査を他施設へ受けに行って頂く事もあります。

 

以上のように診察を行い、診断した後に必要に応じて治療を行います。
婦人科診察といっても、痛みを伴わない診察がほとんどです。
婦人科のトラブルでお悩みの思春期の方は、お気軽に婦人科クリニックを受診してみて下さい。