院長コラム

当院の人工妊娠中絶手術について

当院では母体保護法に基づき人工妊娠中絶手術を行なっております。
初診、手術当日、術後の診察など、当院における人工妊娠中絶手術について、消費税アップに伴う料金改定を含めてお伝え致します。

 

 

初診時の診察

あらかじめ電話で初診の診察枠をご予約頂きます。
初診の問診では、手術に影響を与える既往歴、合併症がないことや、中絶の目的が母体保護法に基づいていることなどを確認します。
診察は内診と経腟超音波検査を行ない、妊娠週数、子宮筋腫や卵巣腫瘍の有無などを確認し、当院で安全に手術が可能かどうか判断します。
術前検査は血液型、各種感染症などの血液検査、心電図を行います。
手術について説明し、ご了解頂きましたら手術の日程を決めて診察は終了します。
初診時の料金は、通常約21,300円となります。

 

 

手術当日の流れ

当日はお食事を召し上がらず(水、お茶、スポーツドリンクはご来院時まで可)、9:00にご来院頂きます。まず、同意書にご本人とパートナー、そして未成年者の場合は保護者の署名があることを確認します。
その後、内診、経腟超音波検査を行い、子宮頸管を拡張させるため、ラミセル(3mm)という特別なスティックを頚管に挿入します。

その後、個室の病室でお休み頂きますが、場合により低用量ピルの説明ビデオをご覧頂きます。
12:30頃、術前の筋肉注射を打ち、12:45頃手術室へ移動します。点滴で静脈確保し、手術の準備を行ないます。

13:00頃、静脈麻酔を開始し、外陰部・腟内を消毒します。麻酔が効いてきたら、ラミセルを抜去し、ヘガール拡張器を用いて頚管を更に拡張します。
その後吸引管を子宮内に挿入し、子宮内容を吸引していきます。当院では妊娠8週頃までは主に手動真空吸引法(MVA手術)を行い、妊娠9週から11週までは電動吸引器や胎盤鉗子、キュレット(掻爬のため)などを用いた手術を行ないます。
手術は5分から15分程度で終了しますが、麻酔がある程度醒めるまで、約1時間手術室で様子をみます。

その後、お部屋に戻ってお休み頂き、2~3時間後ふらつきも軽快し、内診・経腟超音波検査で異常がないことを確認した後、お帰り頂きます。お帰りは、車でのお迎えを準備して頂くか、タクシーをご利用下さい。くれぐれも自転車や自動車の運転はなさらないように。また、近くでも徒歩での帰宅もお控え下さい。

費用は
妊娠8週未満  :170,000円
妊娠8~9週未満:175,000円
妊娠9~10週未満:180,000円
妊娠10~11週未満:185,000円
妊娠11~12週未満:200,000円
となり、OC処方の方は1か月分で3,400円追加になります。

 

 

術後の診察

OC服用の方はご退院翌日から服薬頂きます。
1週間後に内診・経腟超音波検査を行い、異常出血の有無や子宮内の妊娠組織の遺残の有無について確認します。

OCを服用している方は、更に3週間後(OC服用開始して4週間後)に受診して頂き、経腟超音波検査で子宮内の異常の有無を確認し、新たにOCを処方します。

費用は約4,400円およびOC処方料となります。

 

 

当院では、単なる希望の中絶手術は行なっていません。例えば、戸籍上ご夫婦の方で、「いずれ子どもは欲しいが、今は仕事の都合などで妊娠は継続できないため、中絶を希望する」といったケースは他施設へご相談下さい。
また、手術を繰り返さないために、当院で中絶手術をされた方に対しては、原則として全員の方にOCまたは低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)の服用、あるいは子宮内避妊具などの使用をお願いしております旨、何卒ご了解下さい。