院長コラム

当院で行われる各種検査について

4月15日は「世界医学検査デー」です。臨床検査を行う技師さんの役割や臨床検査の重要性を多くの方々に広めることを目的に、1996年に制定されたそうです。
今回は、当院で行っております検査内容について、簡単にお伝え致します。

各種血液検査
妊婦さんの場合、妊娠初期(貧血・感染症・血液型など)、妊娠24週頃(糖尿病のスクリーニングなど)、妊娠30週及び妊娠36週頃(貧血など)にルーチンで血液検査を行っています。
また、月経不順、更年期障害の方に対しては卵巣機能・甲状腺機能に関する各種ホルモン検査を、過多月経の方には通常の貧血検査に加えて貯蔵鉄の検査を行っています。
尚、貧血や炎症の有無(CRP)については、院内で検査してすぐにお伝えすることもできますが、多くの場合は外部の検査施設へ依頼しているため、採血1週間以降にご来院頂いて説明しています。

尿検査
尿一般検査は、主に妊婦さんの尿蛋白・尿糖の有無、妊娠初期の妊娠悪阻の程度(尿中ケトン体)、膀胱炎・尿路結石(尿中白血球・尿潜血など)の鑑別などのために行っています。
また、異所性妊娠(子宮外妊娠)の鑑別、排卵時期の推定(性交のタイミング指導)のために採尿して頂く事もあります。

膣分泌物・尿・乳汁培養検査
細菌性膣炎、膀胱炎、化膿性乳腺炎などの診断のため、帯下・尿・乳汁の一部を培養検査に提出し、具体的な細菌の有無や種類を確認します。
尚、クラミジア頸管炎や淋菌感染症の診断のため、帯下を採取して特別な検査を行うことがあります

細胞診・組織診・コルポスコピー検査
世田谷区検診では子宮頚部、必要に応じて子宮体部の細胞をブラシで擦って採取し、検査します。
その結果、子宮頚部細胞診により“ASC-US”という軽度病変が疑われた場合は、発がん性が強いハイリスクHPVに感染していないかどうか追加検査します。
もし、軽度~中等度異形成と判定された場合は、子宮頚部の拡大鏡検査(コルポスコピー検査)及び頚部の組織診を行います。
ちなみに、体部の細胞診で陽性・疑陽性と判定された場合は、細い匙のような器具を用いて内膜の組織診を行います。

経腟・経腹・乳房超音波検査
胎児スクリーニング、子宮筋腫・子宮腺筋症・子宮内膜ポリープ、卵巣腫瘍の確認には経腟または経腹超音波検査を行います。ちなみに、性交経験のない方には、原則として経腟超音波検査は行っていません。
また、妊娠12週頃、一か月健診時、卒乳時、乳腺炎疑いの時、ホルモン補充療法施行中などは、乳房膿瘍や乳がんの有無を確認するため、乳房超音波検査を行っています。

その他、骨粗しょう症の定期検診として踵の骨の骨密度検査を行い、すぐに結果をお伝えしています。
また、子宮筋腫や卵巣腫瘍の悪性鑑別目的で、近隣の検査専用施設へMRI検査を依頼することもあります。

以上のように、当院では院内・院外で様々な検査を行い、より正確な診断と効果的な治療を心掛けています。