院長コラム

当院で漢方薬を処方されている方へ

ご承知の方も多いとは存じますが、令和6年4月4日時点、諸般の事情によりいくつかの漢方薬の供給が困難な状況になっております。これまで当院では、積極的に漢方療法を行っていましたが、ほとんどが院外処方であり、適切な漢方を十分に処方できていない状態が続いております。
当院で漢方薬を処方されている皆様には、ご迷惑をお掛けしておりますことを心よりお詫び申し上げます。
今回は、特に当院で処方することの多い漢方薬につき、現状をお伝え致します。

月経困難症・更年期障害に対する漢方薬
比較的虚弱な方に処方する「当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)」、中等度以上の体格の方に処方することが多い「桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)」の出荷が少なくなっております。
そのため、これまで継続して服用されている方には、かかりつけ薬局に在庫があるかを確認し、可能であれば2週間~4週間を目安に処方するようにしております。
ただし、場合によっては、症状にあった他の漢方薬に切り替える事がある旨、ご了承下さい。
尚、精神症状を中心に多彩な症状がみられる方に処方することが多い「加味逍遙散(カミショウヨウサン)」は現在のところ出荷制限の連絡がないため、これまで通り処方させて頂いております。

イライラ感・疲労感に対する薬剤
月経前症候群や更年期障害にみられる「イライラ感」に対して処方することが多い「抑肝散(ヨクカンサン)」も、しばらく出荷が制限される様です。
その代わり、胃腸を保護する生薬が入った「抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)」は、近隣の薬局に入荷して頂きましたので、最近はこちらに切り替えるケースが増えています。
冷え症で疲労感が強い方に処方することが多い「十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ)」も入荷が少なくなっているため、当院ではより虚弱の方に処方している「人参養栄湯(ニンジンヨウエイトウ)」に切り替えることを検討しています。
尚、疲労感、多汗症、夏バテ、子宮下垂などに処方している「補中益気湯(ホチュウエッキトウ)」は、現時点では通常通り処方しています。

その他、花粉症に使用する「小青竜湯(ショウセイリュウトウ)」、感冒や乳腺炎の治療薬「葛根湯(カッコントウ)」、むくみ・天気痛などに用いる「五苓散(ゴレイサン)」も入荷が厳しいようです。
当院では引き続き、お一人おひとりに合った最善な医療を心掛けて参ります。

今後も新たな情報が入り次第、皆様にお伝え致します。