院長コラム

当院での検査内容について~妊婦健診・世田谷区検診関連~

4月15日は「世界医学検査デー」です。臨床検査技師の役割や臨床検査の重要性について、認識を高めることを目的に制定されたそうです。
今回は、当院で行っています主な検査内容について、妊婦健診・世田谷区検診を中心に説明します。

 

妊婦健診

<超音波検査>

妊娠初期から妊娠10週頃までは、経腟超音波検査で赤ちゃんの大きさ・心拍などをチェックします。
妊娠12週頃から分娩までは、経腹超音波検査で赤ちゃんの状態の確認や推定体重の計算を行い、特に妊娠20週頃と妊娠30週頃には胎児スクリーニング検査を行っています。

 

<血液検査>

妊娠9週頃に貧血・各種感染症・血液型・血糖値(食後2~4時間)・甲状腺関連などの血液検査を行います。
妊娠24週頃には、貧血・ヒトT細胞白血病ウイルス抗体・血糖値(50g糖負荷1時間後)を検査し、妊娠30週・36週頃には再び貧血の検査(貧血の方には貯蔵鉄の検査も)を行います。

 

<子宮頸がん検査>

妊娠9週頃に子宮頚部の細胞診を行います。もし、細胞診にて異常が認められた場合は、拡大鏡で観察しつつ、病変部の組織診を行うことがあります。

 

<クラミジア検査・腟培養検査>

当院では妊娠16週頃に子宮頚部のクラミジアPCR検査、妊娠20週頃に帯下の培養検査を行います。もし、クラミジア頸管炎が認められた場合は抗生剤の内服、細菌性腟症が認められた場合は抗生剤(腟錠)の腟内投与を行います。

 

世田谷区検診事業

<子宮がん検診>

20歳から70歳の方で、性交の経験がある方は、2年に1回の子宮頚がん検診を受けるようにしましょう。また、閉経後に不正出血を認める方などは、子宮体がん検診(子宮内膜細胞診)を追加で受けて頂くことをお勧めします。

 

<乳房検診>

40歳以上の方に対して、2年に1回はマンモグラフィー(MMG)を用いた乳がん検診が推奨されています。
当院ではMMG検査はできませんが、世田谷区検診として、他施設でMMG検査のご予約をお取りの方には、当院で触診・超音波検査・MMG検査結果説明をさせて頂く事ができます。

 

<骨粗しょう症検診>

女性の場合、エストロゲンという女性ホルモンが骨を守っています。ただし、閉経数年前になるとエストロゲンの分泌が低下し始め、閉経後は骨密度が急激に低下することが知られています。
世田谷区では、30・35・40・45・50・55・60・65・70歳の方を対象に骨粗しょう症検診を行っています。当院では、“かかとの骨”に超音波当てて骨密度を調べる「超音波法」を行っています。

 

 

妊婦健診、世田谷区検診は、病気や異常の早期発見・早期治療に欠かせません。
もし、諸検査で異常が見つかった場合には、保険診療で精査したり、高次施設・専門施設へ紹介しております。
不安な点がございましたら、診察中にご遠慮なくお尋ね下さい。