院長コラム

当院での乳がん検診の流れ

本日、日本産婦人科乳腺医学会の講演会に参加し、多くの事を勉強させて頂きました。
今回は、そこでの学びを含めて、当院での乳がん検診の流れについて説明します。

 

世田谷区乳がん検診の場合

40歳以上の世田谷区民女性は、2年に一回乳がん検診として、触診法とマンモグラフィ(MMG)検査が原則1,000円で受けられます。
当院ではMMGの設備がないため、MMG検査に関しては乳腺科クリニックなどにお願いしておりますが、触診法に加え、超音波検査については当院で行っております。
当院での乳房診察と結果説明をご希望される方は、MMG検査を該当する施設にご予約頂いた後、当院へご連絡下さい。
尚、令和4年度の受診券の期限は、MMG検査、触診ともに令和5年3月末日までとなっておりますので、ご注意の程お願い致します。

 

当院で妊婦健診されている妊産婦さんの場合

ある報告によると、現在3,000分娩に1件は乳がんになるとのいわれており、今後更に増加することが予想されています。
というのも、30代から乳がん患者さんの人数が増えますが、現在お産をされる方の約65%が30歳以上となっているからです。そのため、妊娠12~15週頃に産婦人科での乳がん検査を推奨している先生もいらっしゃいます。
当院では以前から、当院で妊婦健診をされる全員の妊婦さんに、妊娠12週頃、乳房の触診と超音波検査による乳がん検査を行っております。
また、当院でお産された方に対しては、1か月健診時にも乳房の触診と超音波検査を行うようにしています。
さらに、当院の母乳外来で卒乳をされた方に対しては、ご希望がございましたら乳がん検査を行っています。

 

ホルモン補充療法(HRT)をされている方の場合

更年期障害や閉経後骨粗しょう症に対してHRTを施行されている方に対して、定期的に乳がん検査を推奨しています。
できれば、HRT開始前、HRT施行中および終了後5年間は、最低でも年に一回の乳がん検診をされることをお勧めします。例えば、区検診や各種健康診断、人間ドックなどを利用して、1年に一回MMG検査をされるのがいいでしょう。
当院では、2年に一回区検診でMMG検査と超音波検査を行っている方で、他に乳がん検査を受けるチャンスがない場合は、隙間の年に乳房の超音波検査を行うことがあります。

 

当院での乳がん検診の結果、がんの可能性が否定できない場合は、近隣の乳腺科クリニックあるいは総合病院の乳腺外科へ紹介しております。
女性の生活の質を維持・向上させるためには、乳がん検診は不可欠です。
日頃からご自身の乳房に気を配り、何か気になる点がございましたら、是非近隣の乳腺科クリニックや産婦人科クリニックにご相談下さい。