院長コラム

「女性の健康週間」に考える“子宮頚がん予防”

3/1~3/8は「女性の健康週間」です。この機会に、ご自身の健康について考えてみてはいかがでしょうか。
今回は思春期~中高年の女性を対象に、子宮頚がん予防について説明致します。

 

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種を積極的に

子宮頚がんの原因として、発がん性の高い「ハイリスクHPV」の性交による感染が知られています。
ハイリスクHPVは約13種類ありますが、特に悪性度の高い2つの型の感染を予防するため、小学校6年生~高校1年生相当の女子に対する定期接種、およびキャッチアップ世代(国からの接種勧奨が中断されていた世代)に対する接種が推奨されています。
現在は
、子宮頚がん原因の「2つの型」+尖圭コンジローマ(性感染症の一種)原因の「2つの型」の合計「4つの型」の予防に有効なワクチン“4価ワクチン(ガーダシル)”が主流です。
そして来月、令和5年4月からは、子宮頚がん原因の「7つの型」+尖圭コンジローマ原因の「2つの型」の合計「9つの型」の予防に有効なワクチン“9価ワクチン(シルガード9)”も、接種できるようになります。
9価ワクチンは4価ワクチンに比べて、将来子宮頚がんになるリスクを更に低下させます。
まだHPVワクチンを接種したことがない方は、9価ワクチンの接種を是非ご検討下さい。

 

2年に1回は子宮頚がん検診を

HPVワクチンをしっかり接種したとしても、100%子宮頚がんを防ぐことはできません。そのため、定期的な子宮頚がん検査(細胞診)を行うことがとても大切です。
世田谷区の場合、20歳以上の区民女性は、2年に1回子宮頚がん検診を受けることができます(原則として自己負担800円)。
過去2年間子宮頚がん検査を受けていらっしゃらない方は、令和4年度受診券の期限は3月31日までですので、お早めに検診を受けるようにしましょう。

 

3月は年度末であり、来年度の予定を立てるのにはいい時期だと思います。
子宮頚がんの予防には、HPVワクチン接種と子宮頸がん検査の“車の両輪”が大切です。
これらをご希望の方は、来年度のスケジュールを組む際に、「HPVワクチン接種日(6か月で3回)」「子宮頸がん検診日(区検診・勤務先の健診・人間ドックなど)」の予定もお忘れなく。