院長コラム

当院における思春期~若年女性の診察の流れ

10歳前後に初経を迎えてから20歳頃までの女性で、月経困難症・月経前症候群・月経不順・無月経といった月経トラブルに悩まれている方は少なくありません。
その一方、産婦人科受診に抵抗がある方が多いのもこの年代です。
今回は、当院における思春期~若年女性の診察の流れについて、簡単にお伝え致します。

 

月経困難症・月経前症候群の場合

月経中の下腹部痛、腰痛など、様々なトラブルを総称して月経困難症といいます。
また、月経開始3~10日前からみられる乳房痛、頭痛などの身体症状、イライラ感、気分の落ち込みといった精神症状を月経前症候群といいます。
これらは、一緒にみられることがあるため、月経周期の身体症状・精神症状に関する問診票にご記入頂き、それを基に詳細に問診致します。
月経痛が強い場合、性交の経験がある方は内診・経腟超音波検査など腟からの診察を行い、子宮、卵巣などに異常がないか確認します。
性交の経験がない方には腟からの診察は行わず、ベッドに仰向けに寝て頂き、お腹の触診・経腹超音波検査を行います。

 

月経不順・無月経の場合

通常の月経周期は25~38日といわれており、それより短い場合は頻発月経、長い場合は希発月経といいます。また、今まであった月経が3か月以上みられない場合を続発性無月経といいます。
希発月経や続発性無月経の場合、性交の経験があれば妊娠を鑑別するため、紙コップに尿を適量お採り頂きます。
妊娠していないことを確認した後、月経状況、服薬している薬剤、環境変化やストレス、激しいスポーツやダイエットの有無などについて伺います。特に、無月経の方の場合、体重を計測して体格指標(BMI)を算出します。
次に、性交経験者には経腟超音波検査、未経験者には経腹超音波検査で子宮・卵巣の状態を確認します。
最後に女性ホルモン、男性ホルモン、甲状腺ホルモンなどを調べるために採血をし、場合により基礎体温の計測について説明します。

 

通常、思春期~若年女性に対する月経トラブルの診察では、ほとんど痛みを伴う検査は致しません。
場合によっては、初診時には問診だけ、あるいは問診と血液検査だけとし、その他の諸検査は再診時以降に行うこともできます。
まずは、婦人科関連のお悩みがございましたら、お気軽に産婦人科クリニックをお訪ね下さい。