院長コラム

夏かぜの治療薬

令和5年8月現在、近隣では夏かぜが流行している印象があり、咳や痰、咽頭痛で受診される妊婦さんが増えてきました。
また、様々な薬剤が出荷制限され、これまで処方していた薬剤の中には、入手困難なものもあります。
そこで今回は、最近当院で処方している夏かぜの治療薬についてお伝え致します。

咳に対する処方

これまで当院では、鎮咳薬の「メジコン錠」を処方することが多かったのですが、出荷制限がかかり、薬局によっては置いていない所が増えてきました。
そこで、取り扱っている薬局が多い「アスベリン錠」を第一選択として処方しています。

痰に対する処方

これまで当院では、去痰剤の「ムコダイン錠」を処方していましたが、やはり出荷制限がかかってしまったため、「ムコソルバン錠」に切り替えました。
また、切れにくい痰の咳に対しては漢方薬の「麦門冬湯(バクモンドウトウ)」、鼻汁を認める方には「小青竜湯(ショウエセイリュウトウ)」を併用することもあります。

咽頭炎に対する処方

咽頭炎に有効な「トランサミン錠」の供給が現在不安定になっていますが、今のところ「1日6錠5日間」を基準にして処方できています。
また、消炎鎮痛剤「カロナール錠」を処方する場合もありますが、特に妊娠28週以降の妊婦さんには、必要最小限の使用に留めています。
また、うがい薬を処方することがありますが、その場合、妊婦さんにはヨードを含まない「アズノールうがい液」を処方しています。

妊婦さんであっても夏かぜにかかったら、我慢する必要はありません。
ただし、体温が37.5度以上、全身倦怠感や関節痛、強い感冒症状がみられた場合は、必ず発熱外来を受診し、新型コロナウイルス感染の有無を確認して下さい。
夏かぜの予防として、手洗い・うがいを励行し、特に妊婦さんは、引き続き3密を避けるようにしましょう。