院長コラム

国立成育医療研究センターとの連携

世田谷区大蔵にあります「国立成育医療研究センター(以下成育医療センター)」は、胎児期から新生児期・乳児期・学童期・思春期・成人期に至るまでの成育医療に関して、我が国随一の高度医療機関です。
と同時に、地域医療にも丁寧に寄り添って頂ける、とても身近で医療連携しやすい病院でもあります。
当院でもこれまで多くの方々を紹介させて頂きました。今回は、特に当院がお世話になることの多いケースについてお伝え致します。

無痛分娩のご希望や母体合併症のある妊婦さん

最近では無痛分娩をされている産科施設が増えましたが、成育医慮センターはその草分け的な存在で、専任の産科麻酔科医が麻酔をご担当されているそうです。
また、当院での健診で多胎妊娠、高血圧・糖尿病などの合併症が確認された妊婦さんは、比較的早期に成育医療センター産科へ紹介させて頂いております。

胎児異常が疑われる場合

当院での胎児スクリーニング超音波検査で胎児異常が疑われた場合、精査目的で胎児診療科へ紹介しております。そこでの精査で明らかな異常がみられない場合は、再び当院に戻って健診して頂く事もあります。ただし、胎児管理・新生児管理が必要な場合は、分娩管理も含めて成育医療センターにお願いしております。

新生児異常がみられる場合

分娩後の呼吸障害や低出生体重児など、緊急性の高い新生児異常がみられる場合は、新生児科へ救急搬送させて頂く事があります。
また、当院での新生児聴覚スクリーニング検査で精査が必要となった場合は、早めに耳鼻咽喉科へ予約を取らせて頂いています。
尚、多指症、母斑などの場合は2週間~1か月健診時に整形外科、皮膚科などへご紹介しております。

その他、妊娠10週頃のNIPT、切迫早産・子宮内胎児発育不全の管理、妊娠35週頃の骨盤位(逆子)の外回転術の目的などでご紹介するケースもございます。
また、外来診療以外では、成育医療センターの精神科医を中心とした母子のメンタルサポートに関する症例検討会が、月に一回開催されており、私も学ばせて頂いております。
当院は成育医療センターの連携施設でもあり、妊産婦さんや赤ちゃんの状況にあわせて、紹介させて頂くことがある旨、ご了承下さい。