院長コラム

世田谷区など多くの自治体の乳がん検診は、40歳以上の住民を対象に2年に1回視触診とマモグラフィ（MMG）を行っています。
ただし、40歳未満の若年女性の乳がんや、検診と検診の合間に発生・進行する乳がんについては、検診事業のみで早期発見することは困難です。そこで、最近は「ブレスト・アウェアネス（乳房の気付き）」が注目されています。
今回、先日WEB開催された東京都乳がん検査従事者等講習会の内容を参考に、乳房の自己チェック（ブレスト・アウェアネス）について説明します。

ブレスト・アウェアネスとは

ブレスト・アウェアネスとは「乳房を意識する生活習慣」のことで、乳がん対策の一つと考えられています。具体的には、

• 乳房の状態を知る：見て、触って、感じる（乳房チェック）。
• 早く乳房の変化（しこり、皮膚のくぼみや血性の乳頭分泌など）に気付く。
• 乳房の変化に気が付いたら、すぐに医師へ相談する。
• 40歳になったら乳がん検診を受ける。

という、4つの基本行動からなっています。
乳がんを早期発見・早期治療することで、女性が生涯を通して健康で明るく、充実した日々を送るための“生活習慣”として推奨されています。

乳房の変化に気付いたら「ブレストクリニック」へ連絡を

当院では乳房のスクリーニングとして、視触診および超音波検査を行っております。
しこりなど自覚症状がある方に対しても保険診療で検査をしていますが、できれば症状がある方は、乳房専門医がいらっしゃるブレストクリニックへご連絡されることをお勧めします。
ちなみに、当院から紹介させて頂くことが多いクリニックは、「桜新町濱岡ブレストクリニック」（桜新町駅）、「二子玉川ブレストクリニック」（二子玉川駅）、「上野毛あだちクリニック」（上野毛駅）、「自由が丘みきブレストクリニック」（自由が丘駅）などです。

医療施設での「乳がん検査」と個人でできる「ブレスト・アウェアネス」は、乳がん早期発見対策の両輪です。
特に、低用量ピルやホルモン補充療法など女性ホルモン製剤を使用中の方、ご家族・親族に乳がん、卵巣がんになられた方がいらっしゃる方は、日頃から乳房のチェックを習慣化して頂く事をお勧めします。
また、コロナ禍ではありますが、定期的な乳がん検診は先延ばしせずに受けるようにしましょう。