院長コラム

マルチビタミンサプリ「エレビット」を導入しました

当院では「葉酸サプリメント」(キョーリン)を導入しており、ご希望の方に受付で販売しておりました。この度、それに加えて、マルチビタミンサプリ「エレビット」(バイエル薬品)を導入することになりました。
今回は、「エレビット」の特徴について説明致します。

 

 

そもそも日本人女性は栄養が足りません

日本人女性は多くの栄養素で、実際の摂取量が推奨量を下回っているそうです。バランスのとれた食事に心がけ、十分な野菜を取ることが基本になりますが、20~39歳のうち、目標の1日350g以上の野菜を摂取できている女性は17.5%しかいないそうです。

日本人妊婦のビタミン・ミネラルの推奨量に対する、実際の平均摂取量の充足率を調べた報告によると、葉酸:48%、ビタミンD:82%、ビタミンD:67%、鉄:28%、カルシウム:66%、マグネシウム:59%と、多くの大切な栄養素の摂取が不足しています。特に、胎児の二分脊椎などの予防のためには、葉酸の摂取量は、妊娠する1か月以上前から1日640μgの摂取が必要といわれています。しかし、食事だけで推奨量をまかなうことは、現実的に非常に厳しいと思われます。そこで登場するのが、葉酸あるいはマルチビタミンのサプリメントです。

 

 

「エレビット」に含まれる栄養素

エレビットには葉酸だけでなく、18種類のビタミンとミネラル(ビタミンD・カルシウム・マグネシウム・葉酸・鉄・ビタミンC・β-カロテン・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12・ビタミンE・ビチオン・ナイアシン・パテトテン酸・胴・マンガン・亜炎)が豊富に含まれています。

カルシウムは骨や歯の形成に役立ち、ビタミンDはカルシウムの吸収を促進します。

マグネシウムは骨や歯の形成だけでなく、エネルギー産生や血液循環にも関与しています。

鉄は貧血の予防・改善に必要であり、ビタミンCは皮膚や粘膜の健康維持を助け、硬酸化作用を持つ、とても大切な栄養素です。

 

 

日本人だからこそしっかり葉酸の摂取を

中でも葉酸は最も大切な栄養素の一つで、妊娠する前から640μg(18歳以上の女性の推奨量240μg+必要な負荷分400μg)の摂取が推奨されています。胎児の二分脊椎などの予防としては、妊娠する1か月以上前から摂取を始め、妊娠12週までは摂取が必要です。

また、葉酸不足は貧血の引き起こし、胎児発育不全や常位胎盤早期剥離との関連も指摘されています。そのため、妊娠初期だけでなく、分娩するまで最低480μg(18歳以上の女性の推奨量240μg+必要な負荷分240μg)が推奨されています。

尚、葉酸が働くにはビタミンB6とB12の助けが必要です。「エレビット」は1日分として葉酸800μgが含まれており、ビタミンB6とB12も配合されているため、非常に便利なサブリメントといえるでしょう。

ちなみに、葉酸は細胞を作るタンパク質の合成に関わっており、その際、ある酵素が必要になります。ところが、日本人女性の67%はその酵素が働かず、せっかく摂取した葉酸を利用しにくい体質であるといわれています。そのため、日本人女性に対しては、推奨量ぎりぎりではなく、多めに摂取することをお勧めします。もし必要以上に葉酸を摂取したとしても、水に溶けて尿中へ排泄されるため、葉酸の過剰摂取を気にする必要はありません。

 

 

当院では一か月分のマルチビタミンサプリ「エレビット」を4500円(税込)で販売しています。妊娠を考え始めたら、服用を是非ご検討下さい。
ただし、栄養摂取の基本は、バランスのとれた食事と1日350g以上の野菜の摂取であることは、忘れないで下さい。