院長コラム

西城秀樹さんが苦しんだ脳梗塞、中高年女性も要注意

先日、西城秀樹さんが急性心不全で死去されました。青春時代、西城秀樹さんのファンであった女性の方も多いかと思いますが、私も思春期の頃によく聞いていましたので、大変ショックでした。

生前、2回の脳梗塞を経験され、日々リハビリに励まれていたそうですが、非常に残念です。ご冥福をお祈り申し上げます。

しかし、西城秀樹さんの死を通して、私たちは多くのことを学ぶことができます。
今回は、脳梗塞の予防についてお話したいと思います。

 

 

まずは生活習慣の見直し

禁煙はもちろん、節酒、適度な運動習慣、バランスのとれた食生活、適切な水分摂取が何より大切で、脳梗塞だけでなく、脳出血、心筋梗塞など、多くの疾患の原因となる動脈硬化を予防することができます。

 

 

内科的疾患の管理

動脈硬化のリスク因子に「高血圧症」「糖尿病」「脂質異常症」があります。生活習慣を改善し、これらの疾患を予防することが最も大切ですが、定期的に健康診断をうけ、これらの疾患の早期発見を心がけることが大切です。

もし、すでにこれらの疾患になってしまっている場合や予備群である場合には、かかりつけ内科医を受診し、適切な保健指導を受け、必要があれば薬物治療を受けるようにしましょう。

 

 

女性ホルモンが低下し始める40歳代以降は特に用心

脳卒中、心筋梗塞など動脈硬化が原因となる疾患は、男性の病気といったイメージが一般にはあるかもしれません。それは女性の場合、20~30歳代はエストロゲンという女性ホルモンが血管を守ってくれているからに他なりません。

逆にいえば、女性ホルモンが低下し始める40歳代、閉経を迎える50歳代は、動脈硬化になりやすくなります。

事実、閉経後は「高血圧症」「糖尿病」「脂質異常症」という動脈硬化のリスク因子が増加します。

 

 

ホルモン補充療法(HRT)も用い方次第

では、HRTでエストロゲンを補えばすべて予防できるのでしょうか?残念ながら使用方法でよっては有害になるケースがあります。

コントロール不良な高血圧の方にHRTを行うと、むしろ脳梗塞のリスクは高まり、コントロール不良な糖尿病の方にHRTを行うと、糖代謝を悪化させる可能性があります。

また、60歳以上、あるいは閉経後10年以上の方に、新たにHRTを行うと心筋梗塞のリスクが高くなるともいわれています。

 

 

生活習慣の改善+適切なHRTで健康生活を

しかし、閉経後早期から適切にHRTを使用すれば、脂質代謝や糖代謝に好影響を与え、結果的に動脈硬化を予防し、脳梗塞ははじめとするさまざまな疾患にかかる可能性を低下させることが期待できます。

動脈硬化や脳梗塞などの予防目的だけでHRTを行うことはできませんが、更年期障害や骨粗しょう症などHRTが有効である疾患の方で、HRTが禁忌でないのであれば、積極的にHRTを行うことをお勧めします。

もちろん、生活習慣が乱れていると、せっかくのHRTも効果を発揮できなくなります。前提として、禁煙・節酒・適切な運動・バランスのとれた食事・適切な水分摂取が基本になることは言うまでもありません。

 

 

ここ数日、YOU TUBE でかつての“ヒデキ”の動画を見ては口ずさんでいます。
皆さんもカラオケに行かれて、大声で歌って、一緒に踊ってみてはいかがでしょうか。
いい運動になりますし、多少は動脈硬化の予防になるかもしれません。
ただし、お酒は程ほどに・・・