院長コラム

妊娠したくなければ、経口避妊薬(OC)を飲むか、セックスをしないか、二つに一つ

10代の方や未婚の方で、まだ妊娠したくない方は、しっかり避妊しなければならないことを、まずはご理解下さい。
そして、現実的な避妊方法はOCのみであるという事実を知っておいて下さい。

 

 

コンドームは避妊法として過信しない

手軽な避妊法としてコンドームがありますが、男性に依存する避妊方法であり、失敗率も決して低くはありません(理想的な使用で約2%、一般的な使用では18%)。

ただし、性感染症の予防としては大きな意義がありますので、セックスの必需品であることは間違いありません。したがって、コンドームをつけない男性とはセックスしない、持っていなければ買ってきてもらう、ということは大前提となります。

その上で、避妊の効果については、コンドームを決して過信してはいけません。

ちなみに、ご存知だとは思いますが、腟外射精は避妊法ではありません。

 

 

相手の男性のことも過信しない

当院に緊急避妊目的でいらっしゃる方のうち、コンドームが破れた、腟内に残ってしまった、といった方は少なくありません。

日本製のコンドームを丁寧に扱い、最初から正しく装着し、射精後は装着しているコンドームが外れないように押さえながら速やかに、かつ慎重にペニスを抜去すれば、コンドームの破損や遺残は防ぐことができるはずです。

ただし、その時その場で冷静にコンドームを扱えるような男性ばかりであるとは限らず、むしろ不器用で、詰めが甘い男性の方が世の中には多いかもしれません。

あなたの彼氏がどちらのタイプかはわかりませんが、相手を信用し過ぎない方が身のためです。

 

 

セックスをする可能性があればOCは必須

OCの一般的な使用による避妊失敗率は9%といわれていますが、飲み忘れがなく、理想的に使用していれば0.3%にまで減少します。

つまり、現時点では妊娠をしたくない方の選択枝は、OCを飲むか、セックスをしないか、のどちらかしかありえません。

 

 

OCが禁忌の方、もしくは副作用が強い方の場合

実は、避妊法にはOC以外に、銅付加型子宮内避妊具(銅付加IUD)と黄体ホルモン放出子宮内システム(IUS)の二種類があります。どちらも、器具を子宮内に留置するという処置になるため、ほとんどの場合、分娩経験者の避妊法として用います。

分娩経験のない方、特に10代の方の中には、子宮内に器具を挿入することが困難なケースがあります。したがって、このような方々は、これらを標準的な避妊法としてではなく、最終手段として捉えて下さい。

 

 

自分自身の心と体を守るため、避妊は相手任せにしないで、ご自身の意志でOCを服用・継続し、より確実に避妊するようにしましょう。
もし、あなたがOC服用に抵抗があるのであれば、妊娠を希望するまでセックスができない旨、お付き合いし始めた男性には早めにお伝えすることをお勧めします。