院長コラム

羊水過少症の対応

羊水量は胎盤および胎児機能を反映しており、その評価は非常に重要です。
今回は当院での羊水過少症への対応について説明致します。

 

 

羊水とは

羊水は主に胎児の尿からできています。その羊水を胎児が飲み、消化管から吸収し、排尿する、といったサイクルで羊水量は調整されています。

羊水量は妊娠経過、胎児発育とともに増え、妊娠30~34週頃にピークとなり、約800ml程度になると言われています。その後は妊娠末期にかけて羊水量は減少していきます。

 

 

羊水量の評価

羊水量の測定には、主に超音波検査が用いられています。評価方法のひとつにAFI(amniotic fluid index)があります。AFIは、仰向けの妊婦さんの腹部を、臍部を中心に上下左右の4区分に分け、それぞれの羊水腔の深度を測り、4つの合計で表します。24cmまたは25cm以上を羊水過多、5cm未満を羊水過少と診断します。

 

 

羊水過少の原因

羊水過少の原因は、母体の因子と胎児の因子の二つに分けられます。

母体因子としては、前期破水、胎盤機能不全、妊娠高血圧症候群、抗リン脂質抗体症候群、膠原病、ある種の薬剤服用などがあります。

胎児因子としては、染色体異常、胎児発育不全、胎児奇形(特に腎無形成などの腎臓の異常)、過期妊娠などが考えられます。

 

 

羊水過少症への対応

《妊娠22週~36週の場合》

高次施設へ紹介します。状況によっては、転院先の施設で、人工羊水(生理食塩水)注入を繰り返すことで、胎児の胎外生活が可能になるまで妊娠期間の延長を試みるケースもあります。

《妊娠37-41週頃の場合》

妊娠後期の発症では、子宮収縮に伴う臍帯圧迫により、胎児心拍の徐脈や羊水の混濁の可能性があります。

そのため、子宮口の熟化状況によっては胎児が元気な内に、陣痛促進剤を用いて計画分娩とすることがあります。

もし、胎児胎盤機能不全がみられた場合や、モニター上は胎児が元気であっても子宮口が未熟なままの場合は、新生児科医を含む複数のスタッフがいる高次施設へ紹介すことがあります。

尚、分娩誘発されるか、帝王切開になるかは、その施設のご判断となります。

 

 

転院が必要な場合、転院先の病院、タイミングなどにつきましては、その都度説明して参りますが、最終的にこちらにご一任頂きましたら幸いです。
当院での分娩をご希望頂きました妊婦さんには誠に申し訳ありませんが、母児の健康を第一に考えて判断して参りますので、何卒宜しくお願い申し上げます。