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院長コラム

子宮頚部軽度~中等度異形成を進展させないためには免疫力アップが大切

年に一度、世田谷区・目黒区・渋谷区の開業医を中心とした産婦人科医が集まり、勉強会を行っています。
今年は、日本大学産婦人科の先生から婦人科腫瘍についてご講演がありました。
今回は、その講演会の内容を中心にお話します。

 

 

軽度~中等度異形成は自然治癒の可能性が

主に、発がん性の高いヒトパピローマウイルス(ハイリスクHPV)の感染が原因で異形成は発生しますが、そのすべてが子宮頚がんになる訳ではありません。

高度異形成以上に進展する確率は、軽度異形成で約10%、中等度異形成で約20%に留まり、反対に自然退縮する確率は、軽度異形成で約70%、中等度異形成で約50~60%にものぼります。

 

 

腸管の粘膜免疫がポイント

進展するケースと消退するケースとの差は、そのヒトの免疫力の差であるといわれており、特に腸管の粘膜免疫システムが注目されています。

様々な異物が消化管を通りますが、体に害を及ぼす異物が粘膜上皮に侵入すると、これらを攻撃する抗体が産生されます。それらの抗体は、血流に乗って全身に行き渡りますが、子宮頚部の上皮には多くの抗体が存在していると言われています。

 

 

“飲む子宮頚がんワクチン”

もし、HPVに特異的な抗体を腸の粘膜免疫システムが作ってくれるなら、子宮頚部に感染しているHPVを抑制できるかもしれない、との発想で、“飲む子宮頚がんワクチン”の開発が進んでいるようです。

これは、特別な乳酸菌の表面にHPVがん蛋白質を植えて、胃酸に溶けないように工夫し、腸管まで送り届けるというワクチンです。

従来であれば、HPVウイルスに対する攻撃力は個々の免疫力に頼むしかありませんが、がんワクチンによって抗体を誘導することが可能になれば、大変効率がいい治療が期待できます。

 

 

免疫力をアップさせるためには

飲む子宮頚がんワクチンの実用化までは、あと数年かかるといわれていますし、その効果についても未知数です。
従って、今はできるだけ免疫力を高めることに心掛けることが大切です。

そのためには、特別なことではなく、バランスの取れた食事、適度な運動、良質な睡眠、ストレスを抑えた生活、禁煙・節酒といった、“理想的な生活”をどれだけ習慣化できるかがポイントになるでしょう。

 

 

食事・運動・睡眠・ストレスは免疫力向上だけでなく、すべての心身の健康の礎になります。仕事や家事、子育てなど、忙しい生活に振り回されず、ご自身の生活を“健康”の観点で見直してみてはいかがでしょうか。

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