婦人科疾患

性器脱~子宮脱・膀胱瘤~

骨盤底筋群の低下により、骨盤内臓器が膣から下垂・脱出する病気で、子宮脱、膀胱瘤などに分類されます。当院では、保存的治療としてソフト・ペッサリーを腟内に挿入し、脱出した臓器を解剖学的に正常な位置に戻すことを、第一に行っております。ペッサリーの刺激により腟壁がただれたり、出血することもあるため、適宜ホルモン剤(エストリオール内服薬、エストリール腟錠)を用います。ペッサリーにより痛みが強かったり、自然脱出する場合は、サイズが合わなかった可能性があるため、すぐに受診して下さい。ペッサリーによる潰瘍形成などを防ぐために、原則は3か月毎に入れ替えを行います。可能であれば前述の骨盤底筋体操を指導し、漢方療法(補中益気湯など)を併用することもあります。

ペッサリーでの治療が限界となった場合は、手術目的で他施設(厚生中央病院泌尿器科、昭和大学産婦人科など)にご紹介することがあります。また、手術の希望がなく、ペッサリーが適さない方には、フェミクッション(女性医療研究所)という、下着に装着するシリコンゴムのクッションをご案内しております。