院長コラム

2021年年頭にあたり

新年おめでとうございます。新型コロナウイルス感染拡大が止まらないため、不安なお気持ちで年始をお迎えになられた方も多いかと存じます。
当院では、今年も感染防止対策に力を入れて参ります。ご主人の分娩立会いや妊婦健診時のお付き添いは、引き続きご遠慮頂くことになりますが、ご了承を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
さて、今回は年頭に当たり、2021年の当院の方針についてお話致します。

 

思春期~性成熟期の診療について

若年女性の月経トラブルは、生涯に影響を及ぼす可能性があるため、早期発見・早期介入が大切です。
特に体重減少性無月経の場合、骨粗しょう症、不妊などの原因となる可能性があります。ダイエットや激しいスポーツなどで3か月以上月経がみられない方が早めに婦人科を受診頂ける様、今後も啓発に取り組んで参ります。
また、思春期の月経困難症を放置していると、将来子宮内膜症となり、月経困難症の悪化、不妊、産科トラブルや卵巣がんをきたすことがあります。将来の病気を予防する意味でも、ホルモン剤を中心とした早期治療を進めて参ります。
さらに、子宮頚がんの撲滅に不可欠である子宮頚がんワクチン接種および子宮頚がん検診についても、引き続き多くの方々に声掛けして参ります。

 

妊娠・分娩関連について

母児にとって安全な妊娠・分娩のためには、妊娠する前の体調管理が非常に重要です。特に妊娠の1か月以上前から葉酸のサプリメントを服用することが、胎児の二分脊椎などのリスク軽減に繋がります。
また、葉酸・マルチビタミンやミネラルを含んだサプリメントを分娩まで継続して服用することにより、胎児の発育不全や常位胎盤早期剥離などの産科異常を防ぐ可能性が期待できます。そのため、バランスの取れた食生活と「エレビット」服用の重要性について、今後さらに啓発して参ります。
当院では低リスクの妊婦さんのお産を取り扱っていますが、今後も高次施設との連携を密にしながら、安全なお産、赤ちゃんや乳房の管理に力を入れて参ります。

 

更年期~老年期医療について

閉経前後の女性ホルモン低下は更年期障害や骨密度の低下を引き起こします。そのため、ホルモン補充療法(HRT)などの治療を行うことがとても有用です。
ただし、更年期~老年期の外陰腟不快感は、HRTで奏効しないこともあり、外陰腟レーザー治療(モナリザタッチ)が有効な場合も少なくありません。
生活の質を向上させる様々な治療について、今年も多くの方々に情報をお伝えして参ります。

 

2021年もスタッフ一同、お一人おひとりに寄り添い、疾患の治療、安全なお産、健康の増進、将来の病気の予防、そして生涯にわたる生活の質の維持・向上のため、尽力して参ります。
何卒宜しくお願い申し上げます。