院長コラム

正常な月経量の目安と過多月経が疑われるケース

正常な月経量は一周期あたり20∼140gと言われています。
ただし、経血量を実際に測定することは難しく、他人と比べる機会もほとんどないため、ご自身で「過多月経」であるかどうかを判断することは非常に困難です。
今回は、正常な月経量の目安、過多月経が疑われるケースについて、ポイントをまとめてみました。

 

〇正常な一日当たりの生理用品(タンポンやナプキン)は3~6セット

通常は月経の多い日でも、一日当たりの生理用品は6セット以内といわれています。
もし、7セット以上必要な場合は、正常よりも多いと考えられます。

 

〇1~2時間おきに生理用品を交換しないといけない場合は、過多月経の可能性が!

2時間もしないうちに生理用品を交換しないといけないということは、一日当たり7セット以上の生理用品を使用していると思われますので、過多月経の可能性があります。
また、キングサイズの夜用ナプキンを常用せざるを得ない場合も過多月経が疑われます。

 

〇レバー様の血液の塊が出る場合は経血量が多い

通常、月経血は血液の塊を認めることはほとんどありません。
毎回、血液の塊が排出している場合は、ご本人が思っている以上に経血量が多くなっている可能性があります。

 

〇ふらつき・動悸・息切れなどの症状や健康診断などで貧血を指摘された場合も要注意!

貧血症状を自覚している場合や、血液検査で貧血を指摘された場合、「鉄欠乏性貧血」であるかどうか精査する必要があります。
鉄欠乏性貧血の原因として、鉄の摂取量が少ないことも考えられますが、月経のある女性の場合、過多月経である場合が非常に多いです

 

過多月経の原因として、子宮筋腫・子宮腺筋症・子宮内膜ポリープ、ホルモン異常、血液凝固系異常などの病気が考えられます。
また、過多月経により鉄欠乏性貧血になってしまうと、全身的な健康被害をきたしてしまいます。

月経血が多く、健診で貧血を指摘された方は、早めに婦人科を受診するようにしましょう。