院長コラム

更年期を迎える皆様へ

女性ホルモンであるエストロゲンは、8歳頃から増加し始め、初経を迎える10~15歳頃急増します。
18歳から40歳頃までは安定しますが、その後次第に低下し、50.5歳前後に閉経になります。
そして、閉経前後の10年間(45∼55歳頃)を更年期と言い、心身に様々な症状がみられます。
今回は、更年期を迎える皆様を対象に、生活習慣に関するアドバイスをお伝えします。

適度な運動
エストロゲンには、自律神経を整えたり、血管をしなやかにする作用などがあるため、更年期に入りエストロゲンが減少すると、血行不良になってしまうことがあります。
適度な運動を継続することにより、血行を良い状態で保つことができ、更年期症状が和らぎます。
さらに、エストロゲンには骨を丈夫にする作用があり、閉経後は骨粗しょう症になりやすいため、骨にある程度負荷がかかる運動を更年期から始めるのもお勧めです。
また、日光(紫外線)を浴びると皮膚でビタミンDが産生されます。ビタミンDには骨を強くする作用があるため、更年期女性の方は、できるだけ日中、屋外でウォーキングやジョギングをされることをお勧めします。
尚、日中の活動量が少ないと眠りが浅くなることが知られています。睡眠の質を上げるためにも、適切な運動を習慣化することは有用です。

バランスのとれた食事
更年期は、血管を守っていたエストロゲンが減少することで、悪玉コレステロールが増加し、動脈硬化のリスクが高まるなど、生活習慣病にかかりやすい時期でもあります。
また、前述のように、骨密度が低下することによる骨粗しょう症に注意する必要があります。
そのため、適度な運動に加えて、バランスのとれた食事を心掛けることが大切です。できるだけ塩分や糖分を控え、各種ビタミン、カルシウム、オメガ3脂肪酸やたんぱく質などを積極的に摂取するようにしましょう。

生活習慣を改善しても更年期症状が改善しない場合は、婦人科を受診しましょう。
ホルモン補充療法や漢方療法を中心に、睡眠薬・抗うつ薬・自律神経調整薬などを使用することがあります。
当院では、プラセンタ注射、エクオール(大豆イソフラボンサプリ)、膣・外陰部レーザー治療にも積極的に取り組んでいますので、お気軽にご相談下さい。