院長コラム

更年期の過ごし方

更年期は閉経前後の約10年間(およそ45歳~55歳前後)といわれています。
この時期には、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な低下や、家庭・仕事など環境の変化などが原因で、「更年期症状」という様々な症状がみられます。
特に、ほてりや発汗、めまい、動悸、易疲労感などの身体症状や、不眠、いらいら、抑うつ、不安感などの精神症状は、代表的な更年期症状です。
そして、更年期障害が日常生活に支障をきたすようになれば、「更年期障害」といって治療が必要になります。
今回は、このような更年期をいかに過ごすか、についてお話します。

 

食生活・運動・睡眠などの生活習慣を改善

心身の健康管理の基本になるのが適切な生活習慣です。
食生活については、バランスの取れた食事が大切であり、特に骨粗しょう症予防のためにも乳製品・緑黄色野菜・大豆製品・小魚・海藻類を積極的に摂取しましょう。
運動については、1日30分程度のウォーキングなどの有酸素運動と、適切な筋力トレーニングの組み合わせが大切なようです。適度に日光を浴びることも骨代謝には大切ですので、毎朝の散歩やウォーキング、ラジオ体操などを習慣化することをお勧めします。
睡眠については、加齢とともに睡眠時間が短くなる傾向にあり、個人差はあるものの、7時間は確保することが望ましいようです、就寝時間、起床時間を決めた上で、日々のスケジュールを立てるのもいいかもしれません。

 

更年期はじっくり人生の棚卸を

45歳から55歳ごろまでの時期は、子どもの成長が最も著しい時期であり、パートナーとの関係も大きく変化する時期でもあります。
また、親の介護の問題や、ご自身の仕事上の問題など、様々な問題に直面する時期であると思います。
ある心療内科の先生が、「更年期は急カーブの下り坂。今までと同じスピードで進むとガードレールに衝突してしまう。速度を落としてカーブをまわろう。」とおっしゃっていました。
多忙な日々とは思いますが、これまでの人生を振り返り、これからの人生をより輝かしいものにするため、じっくり時間をとって人生を棚卸することも大切ではないでしょうか。

 

もし、生活習慣を整えても更年期障害が改善しなければ、是非婦人科を受診しましょう。
そのためには、ご近所に“かかりつけの産婦人科医”を見つけておくことをお勧めします。
当院は、婦人科疾患にお悩みの女性にとっての“かかりつけ医”として、これからも皆様をサポートして参ります。