院長コラム

春休み中の中高生の皆さんへ~妊娠と性感染症を避けるために~

4月に入り、新学期前の春休みを満喫している中高生の方もたくさんいらっしゃると思います。開放的な気持ちになり、様々な人と出会い交流を広げることは、人生においてとても大切です。その一方で、特に異性との付き合いには、全く望まないのに性行為をしてしまう危険性もはらんでいます。今回は、中高生の皆さんに向けて、妊娠や性感染症を避けるための心得について、お伝えします。

 

・ すべての性行為には、妊娠の可能性や性感染症の感染リスクがある

まずは、このことを理解して下さい。低用量ピルをしっかり服用していれば妊娠はほぼ100%防げますが、残念ながら性感染症の予防効果は“0%”です。
また、性感染症予防にある程度有用なコンドームも、完全に感染することはできず、妊娠率も1年間で15%にのぼるといわれています。
つまり、妊娠や性感染症の感染を防ぐためには、「あらゆる性行為を行わない」ことが唯一の方法です。

 

・ コンドームを準備していない男性は“却下”

それでも、愛し合っているカップルの場合、お互い性行為によるコミュニケーションを持ちたい、と思う感情も自然で健康な事です。
ただしその場合、男性はコンドームを適切に着用することが必要です。これは、男性同士のカップルでも、性感染症予防のために重要です。
もし、相手の男性がコンドームを準備せずに手ぶらで性行為を求めてきても、ムードに流されず、懇願にも負けず、是非却下するようにして下さい。

 

・ 低用量ピルを服用しないで性交した場合は、緊急避妊法を

もし、避妊目的や月経困難症の治療目的で低用量ピルを服用していないのであれば、相手がコンドームを使用していたとしても、妊娠の可能性があります。
腟外射精はもちろん、最初から最後まで適切にコンドームの着用がされていなければ(コンドームが破れたり、抜けたりするなど)、緊急避妊法が望ましい場合があります。
性交からできるだけ早く、遅くとも72時間(3日間)以内に、婦人科を受診するようにしましょう。

 

人間の行動原理の一つに「返報性の原理」があります。
これは、相手からプレゼントを頂いたり、食事をご馳走になった時に“お返し”や“恩返し”をしなければいけない、と自動的に考えてしまう“原理”のことです。
もし、相手の男性が“見返り”に性行為を要求したとしても、あなたがその男性との性行為を心から望むのではないのであれば、「返報性の原理」に屈せず、勇気をもって断る様にしましょう。