院長コラム

当院における「予防」に関する取り組み

医療施設の役割として、病気の「治療」は最も大きな柱の一つですが、病気の「予防」も大変重要であると考えています。
今回は、小さな産婦人科医院である当院が行っております「予防」に関する取り組みについて説明致します。

「情報提供」について
私はここ数年、思春期から中高年女性への健康情報の提供などにも携わるようになりました。
近隣の区立中学校や都立高校での性教育授業、自分の母校である都立高校の校医としての活動、そして地域の事業所団体への女性健康セミナーなど、少しずつではありますが、クリニックを飛び出して「女性の生涯に役立つ情報」をお伝えしております。
実際にこれらの活動を通して、個人的な「相談」そして「検診」や「診察・治療」に繋がった方も少なくありません。
これからも、さらに有益な情報提供の場を広げていきたいと考えております。

「相談」について
診察やがん検診のためにご来院された方に、本来の目的以外の健康問題について質問や情報提供を行うと、「そう言えば・・・」とご相談される方もいらっしゃいます。
また、診察や検診が終わった後、その方のお嬢様の悩み(月経トラブル、不正出血、HPVワクチンなど)のご相談をお受けすることも少なくありません。
さらに、母乳外来にいらした授乳婦さんに対して、当院の助産師が疲労感やメンタル不調、月経トラブルなどについてお尋ねし、問題がありそうな方を私の外来診察に繋げることもあります。
当院では、ご来院の方々が“隠れた悩み”もお気軽にご相談頂けるような“場”を作っていきたいと考えております。

「検診」「予防接種」について
世田谷区の事業である「子宮がん検診(頚部・体部)」「乳がん検査(当院では触診・乳房エコー検査を行い、マンモグラフィは他施設に依頼)」「骨密度検査(特に45歳以上)」「風疹抗体検査(該当される男女)」は、特に力を入れている「検診」です。
さらに、「HPVワクチン接種(定期接種世代・キャッチアップ世代)」、「麻疹・風疹ワクチン接種(MRワクチン)」は大きな予防効果が期待できるため、当院では重要な予防医療と捉えて積極的に取り組んでおります。

当院は開院以来、「女性の生涯にわたるサポーターであり続けること」をモットーとしております。
そのため、「診療・治療」と同様に、「予防」も私共が担うべき大切な役割と心得ております。

当院は小さなクリニックではありますが、近隣の医療施設、薬局や行政などと連携を取りながら、女性の心身の健康維持・増進のため、これからもスタッフ一同尽力して参ります。