院長コラム

当院で行うAMH(アンチミューラリアンホルモン)検査

AMHは卵巣予備能(卵巣の中にどれだけ卵子が残っているか)のマーカーとして知られており、血液検査で調べます。
主に不妊専門施設で検査されているAMHは「妊娠できるかどうか」の指標ではなく、「不妊治療が可能かどうか」の指標と考えられています。
当院は不妊専門施設ではないため、実はこれまであまり積極的にAMH検査をしておりませんでした。
しかし、妊娠を希望されている女性を適切な時期に不妊専門施設へ紹介する事は極めて重要であるため、当院でもAMH検査を進めていくことと致しました。
今回は「よくわかるAMHハンドブック 第2版」(協和企画)などを参考に、当院でのAMH検査について説明致します。

特に妊娠35歳以上の妊娠希望の方にお勧め

AMHは、25歳以降の女性の卵巣予備能と相関すると言われています。また、妊娠率は34歳以降低下し、35歳女性の妊娠しやすさ(妊孕性)は、22歳女性の約半分まで下がってしまうとのことです。
妊活して1年経過しても妊娠されない場合は不妊症専門施設で検査を行うことが望ましいですが、まずは一般婦人科での診察を希望される方が当院を受診されます。
そのような方々、特に35歳以降の女性にAMH検査を行い、現時点の卵巣予備能をお伝えすることが当院の役目と考え、不妊症専門医の診察を積極的に受けて頂くためのきっかけになればと思います。

早発卵巣不全の早期診断

40歳未満で無月経(3か月以上月経がこない状態)を早発卵巣不全といい、そのまま閉経してしまうケース(早発閉経)もあります。
AMHを検査することで卵子の残数が評価できるため、早発卵巣不全の早期診断に繋がります。
今はあまり積極的に不妊検査を考えていない方にとっても、不妊専門施設を受診するきっかけとして、AMH検査の意義は大きいと思われます。

費用に関しては、体外受精を行っている施設では保険適応となりますが、当院は不妊専門施設ではないため、自費診療:8,800円(税込)となります。
更に、同一日に保険診療と自費診療を行うことは混合診療といって、原則禁止となっております。
当院でAMH検査をご希望される方は、自費診療になる旨、ご了承下さい。