院長コラム

基礎体温をつけたことがありますか?

月経不順の若年女性や妊娠をご希望されている女性にとって、毎日基礎体温を計測することはとても大切です。
しかし、一度もつけたことがない方にとっては、少しハードルが高いかもしれません。
そこで今回は、基礎体温について説明します。

 

基礎体温とは?

基礎体温とは、運動・飲食といった活動のないときの体温で、朝目が覚めた時にすぐベッドの中で計った体温に相当します。
基礎体温の変化は微妙ですので、専用の婦人体温計を用いて舌下で毎日測定し(小数点第2位まで)、基礎体温表に記入します。
そして、毎日の基礎体温を結んだ折れ線グラフを「基礎体温曲線」といいます。

 

 

一般的な基礎体温

 基礎体温は、卵胞ホルモンと黄体ホルモンという女性ホルモンの影響を受け、多くの場合、月経周期の前半は比較的低体温(低温期)となり、後半は比較的高体温(高温期)となります。
低温期の平均と高温期の平均が0.3度の以上差がある場合を2相性といい、一般的には排卵している、と判断します。
排卵後、妊娠に至らないときは、その約2週間後に月経が始まり、基礎体温も低下します。
つまり、月経周期が28日型で約14日目に排卵する方の場合、月経から低温期が約2週間継続し、14日目で排卵した後、高温期も約2週間継続し、妊娠していないときは再び月経と共に低温期へ戻る、という基礎体温の推移が見られます。
もし妊娠が成立すると、17-18日以上高温期が持続します。ちなみに、妊娠16週以降になると次第に下降します。

 

 

排卵していない基礎体温曲線

高温期が認められない一相性の場合や、二相性でも低温期と高温期の差が0.3度未満の場合は無排卵の可能性があります。
また、高温期が7日未満の場合は、排卵した後の黄体ホルモン分泌不全が疑われます。

 

 

妊娠を望む場合は?

最低1周期以上は基礎体温を計測し、月経周期何日目頃に排卵するかを確認する必要があります。月経周期28日型の方でも、必ずしも月経周期14日目に排卵しているとは限らず、遅れることも少なくありません。あくまでも低温期の最終日あたりを排卵期と推定しましょう。

精子の受精能力が認められる期間は射精後約2-3日で、排卵後の卵子の寿命は約24時間と言われています。したがって、理論上は排卵日の3日前から排卵翌日までの約5日間が最も妊娠しやすい時期となります。 

 

基礎体温曲線から、排卵日の推測、排卵の有無など、有益な情報が得られます。
月経不順や妊娠のご希望がある方は、是非基礎体温をつけてみましょう。