院長コラム

健康的な生活を支える“小さな行動習慣”

健康のためには、運動や食事などの生活習慣を見直すことがとても大切です。
しかし、頭ではわかっていても行動に移すことが難しいのが人間です。
先日、「人生を大きく変える 小さな行動習慣」(S.J.スコット著 日本実業出版社)を読んでいたら、行動を習慣化するヒントが書いてありました。その中で、自分も実践して効果があった方法を共有したいと思います。

 

 

(1) 体重を測る

健康的な身体を目指す上で、定期的に体重を測定することはとても大切です。BMIが18.5~25が適性な体重といわれていますので、特別な状況でなければ、まずは適性な範囲で体重を維持することを目標にしましょう。その上で、標準体重といわれているBMI:22前後を最終目標にすることをお勧めします。

この本では「体重測定は毎日あるいは週一回」と書いてあります。ちょっとした体重の増減に一喜一憂しないために、あえて体重計測を週一回にしている方もいらっしゃるようですが、私は毎日体重を測定し、手帳などに記録されることをお勧めします。体重が目標に近づいていけば、気持ちが前向きになりますし、反対の結果だったとしても、運動や食生活を改善しようと、日々意識するようになるからです。何よりも体重測定を生活習慣化させるためには、毎日のルーチンとして生活に組み込むことが一番簡単です。

私は以前、178cmで97kg近く体重がありましたが、現在は67kg前後で推移しています。ダイエットを始めた頃からほぼ毎朝測定し、手帳に記録していますが、そのお陰で無意識により健康的な生活様式を選択し、標準体重前後で維持できているのでは、と思っています。

 

 

(2) 野菜ジュース・スムージーを作る

野菜不足は様々な病気の元になります。しかし、毎日三食の中で、350g以上の野菜を摂取し続けようと誓いを立てても、実行するのはかなり大変ではないでしょうか。この本では、毎朝ビタミンやミネラルが豊富なスムージーを作ることをお勧めしています。

理想的には、毎食120g以上(小皿・小鉢が約70g)の野菜を取る必要があり、本来はその様な食生活を習慣化することが目標です。しかし、すぐ始められる野菜ジュース・スムージーを小さな行動習慣にすることで、健康的な食生活に改善しようとする意識が芽生えることが、何よりも大切です。

私も5~6年前からほぼ毎朝、野菜ジュース(スムージー)を作って飲むことが日課になっています。材料は、トマト、キュウリ、レモン、ピーマンを中心に、小松菜やセロリ、キャベツなどを使うこともあります。朝食前に一杯(恐らく100~150g程度)飲むことで生活に活力とリズムが生まれ、3回の食事で野菜の摂取を普通に意識する程度でも、1日350g以上の野菜が摂れる計算になります。

 

 

(3) 仕事や家事の合間にウォーキング

ウォーキングは生活習慣病を予防する上で最も効果的な運動です。1日30分以上、週5回以上行うことが理想ですが、運動習慣がない方が、いきなり30分以上、毎日ウォーキングしようとすると、三日坊主になってしまいがちです。

この本では、一時間の作業中に8分程度のウォーキングを1日8回(8時間の就業時間)行えば、1日64分の身体活動が可能である、としています。現実的にはそのまま生活に取り入れることは困難であるかもしれませんが、まとまった時間が必ずしもなくても、運動習慣を身に着けることはできる、と言えるのではないでしょうか。

私も運動習慣が身についていなかった時期は、3分でも5分でもこまめに歩くことを意識していました。今ではスロージョギングやウォーキングは、ある程度習慣になっていますが、それでも外出する時はなるべく早歩きをするなど、小さな身体活動の積み重ねを大切にしています。

 

 

以上の他にも、この本には様々な小さな行動習慣を身につけるヒントが書かれています。
行動し始めても、何かの都合でやめてしまった経験は誰にでもあるのではないでしょうか。そのような時には、自分を責めずに許し、再開することが大切であると、この本の著者は語っています。
今回のコラムが、皆様方の健康的な生活習慣の一助になりましたら幸いです。
私も、自分を許しながら、小さな行動習慣をこれからも身につけていこうと思っています。