院長コラム

チャイルドシートの装着について

今日はこどもの日。自動車でお出かけのご家庭もあるかと思います。
今回は、チャイルドシートの装着について、「産婦人科診療ガイドライン 産科編2017」を参考に説明します。

 

 

チャイルドシートの使用状況

現在の道路交通法では、6歳未満の児はチャイルドシート着用が義務となっています。

しかし、1歳未満児におけるチャイルドシート使用率は現在85%程度で、約12%は保護者の抱っこであった、と報告されています。

ちなみに、チャイルドシートを使用せずに体重3kgの新生児を抱っこしていた場合、約40~50km/時で衝突の瞬間には約30倍の90kg相当の力が抱っこしておる腕にかかるそうです。

新生児ですら腕力だけで支えることは困難であるため、チャイルドシートの使用が必要となります。

 

 

チャイルドシートの不適切使用

チャイルドシートの不適性使用児の致死率は適性使用児に比べて25倍以上高く、ある調査では、チャイルドシートでの死亡の半数以上がベルトの絞窄による窒息が原因であった、とのことです。

わが国での取り付け状況は、56%以上が誤った取り付け方がなされており、着座の不十分は状態が42%に認められたそうです。

また、約18%で助手席にチャイルドシートが装着されていましたが、事故の際に作動したエアバッグが児へ大きな衝撃を与える危険があるため、後部座席で使用することが勧められています。

 

 

チャイルドシートの種類

○ 乳児用:体重13kg未満、新生児から生後10ヶ月くらいまでが目安、首がすわっていない乳児を寝かせるタイプ

○ 幼児用:体重9~18kg、1歳から4歳くらいまでが目安

○ 学童用:体重15~36kg、4歳から10歳くらいが目安

児の成長に合わせて適切なタイプを選択しましょう。

 

 

乳児用チャイルドシート着用法の注意点

○ 腰ベルトの締め付けはしっかりと。

○ 座席ベルトの通し方に気を付けて。

○ ハーネス(チャイルドシートの肩ベルトの幅を固定するための安全器具)の高さ調節と締め付けを適切に。

○ 後部座席に後ろ向きに座らせるタイプのチャイルドシート使用がより安全(脊椎損傷の危険が減少)。

 

 

チャイルドシートの正しい装着により交通事故時の死亡率低下が期待できます。
お持ちのチャイルドシートの説明書をよくお読みになり、注意事項を守って適切にご使用下さい。