院長コラム

ゴールデンウィークにご旅行を計画されている妊婦さんへ

来週の週末からゴールデンウィークが始まりますが、ご家族でご旅行を計画されている妊婦さんも多いと思います。
今回は妊婦さんの旅行中の注意事項についてお話致します。

 

 

旅行(国内)が可能な妊婦さん

当院では、ご旅行出発2週間以内の診察で異常が無いことが確認できれば、以下の方には旅行を許可する方向で考えています。

①妊娠5週以降で、子宮内に胎嚢が確認でき、出血も認めず、異所性妊娠が否定された妊娠初期の方。

②妊娠34週までで、下腹部痛・強い腹緊や出血を認めず、子宮頚管長の短縮がみられない妊娠中期~後期の方。

上記の方でも、感冒、前置胎盤疑い、妊娠高血圧症候群などの合併症がある方などは旅行を控えて頂きます。

 

 

風疹抗体価が低い方・麻疹抗体陰性の方

風疹抗体(HI法)が16倍以下の方は、妊娠20週頃まで人混みを避けて頂いています。
麻疹(はしか)抗体が陰性の方は、妊娠期間通じて、人混み、飛行機での移動(空港の利用)は控えましょう。

尚、2018年4月現在、沖縄で麻疹が流行しています。抗体の無い方は、沖縄へのご旅行はお控え下さい。

 

 

長距離移動の3つの注意

①渋滞に注意

自動車での移動では、渋滞に巻き込まれる可能性があります。特に高速道路を利用する場合、脇道を使う事も不可能ですので、何時間も自動車に閉じ込められる可能性があります。もし、途中で出血や下腹部痛などの症状があっても、緊急で医療機関を受診することができませんので、くれぐれも移動する日程や時間帯に注意して下さい。

②こまめな水分補給と軽い運動

妊娠中は血液が固まりやすくなり、特に妊娠中期以降では子宮の増大のため大血管が圧迫され下肢の静脈に血栓が形成される可能性があります。妊娠初期でも、つわりにより飲水が少なくなっていれば、血液がドロドロになり、血栓症の危険性が増します。

血栓症の予防としては、こまめに水分を補給し、1~2時間ごとに休憩をとり、下肢の屈伸運動や軽い歩行など行なうと良いでしょう。ただし、お茶やコーヒーなどは利尿作用のために、かえって脱水になってしまうことがありますのでご注意下さい。

 

③滞在地での医療機関の確認

妊娠中はどの時期であっても流早産になる可能性があります。移動中はもちろん、滞在場所で流早産兆候が現れないとも限りません。滞在場所で、緊急でも産婦人科診察してもらえる病院を確認しておきましょう。
尚、旅行先にも胎児の超音波写真や母子健康手帳を是非ご持参下さい。

 

 

ご家族とリフレッシュできるご旅行は、妊婦さんにとってとても大切なイベントであると思います。
無理をせずに、気を付けていらっしゃって下さい。
何かありましたらご連絡下さい。