過活動膀胱の薬物療法|世田谷区の産科・婦人科

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院長コラム

過活動膀胱の薬物療法

膀胱が勝手に収縮するため、急に我慢することが困難な尿意をきたすことがあります。このような状態を過活動膀胱といい、生活の質を下げる厄介な病気です。
今回は、先日行なわれました関東中央病院泌尿器科の先生による過活動膀胱についてのご講演の内容と、「女性医学ガイドブック 更年期医療編 2019年度版」(日本女性医学学会編)を参考に、過活動膀胱の薬物療法について説明します。

 

 

過活動膀胱の症状

○日中の頻尿:8回以上
○ 夜寝ている間の排尿:1回以上
○ 急に尿がしたくなり、我慢が難しい
○ 急に尿がしたくなり、我慢できずに尿漏れする

外来では上記症状の頻度についての質問票に記載して頂き、過活動膀胱の程度について評価します。そして、必要に応じて下記のような薬物療法を施行致します。

 

 

薬物療法(1)抗コリン薬

膀胱平滑筋の異常な収縮が過活動膀胱の原因です。抗コリン剤は、膀胱平滑筋の収縮に関与する神経伝達をブロックすることにより、筋肉の異常な収縮を抑制します。従来から広く使用されている薬剤で、薬物療法の主流となっています。
ただし、便秘、口腔乾燥などの副作用を認めることがあり、まれですが、膀胱に尿が溜まっているものの、膀胱が収縮しないために排尿できないケースもあるようです。
具体的な処方としては、副作用や症状の改善具合に注意しながら「ベシケア5mg1日1錠」などを連日使用します。

 

 

薬物療法(2)β3作動薬

膀胱にはβ3アドレナリン受容体が広く分布しており、それを刺激すると膀胱がゆるみ、容量が拡大します。その作用を利用してβ3作動薬が開発されました。

抗コリン薬でみられるような便秘、口腔乾燥などの副作用は少ないため、最近ではβ3作動薬を第一選択薬として使用することも少なくありません。

具体的には「ベタニス25~50mg」「ベオーバ50mg」を1日1回処方します。服用開始後2~4週間経過しても症状があまり改善しない時には、抗コリン剤と併用することもあります。

 

 

薬物療法(3)漢方薬

薬物療法の柱は抗コリン剤とβ3作動薬ですが、八味地黄丸、牛車腎気丸などの漢方薬が有効な場合があります。特に夜間頻尿に有用といわれており、口渇がある方も適応になります。抗コリン剤やβ3作動薬で効果が不良の場合には、併用することが可能です。

 

 

過活動膀胱に対しては上記の薬物療法が基本になりますが、その他エストロゲン腟錠の腟内投与や腟・外陰レーザー治療(モナリザタッチ)によって症状が軽減するとの報告もあります。
当院では、患者さんの症状に合わせて治療薬を検討し、副作用や有効性に注意しながら治療して参ります。
ただし、あまり軽快しない場合は、泌尿器科専門医へ紹介させて頂く旨、ご了承下さい。

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