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院長コラム

男性の服用薬による精子および胎児への影響

以前、妊婦さん服用薬で、胎児に影響を及ぼす可能性がある薬剤について説明しましたが、今回はパートナーの男性が服用する薬剤について説明します。

 

 

男性の服用薬が胎児へ影響を及ぼすことがあるのか?

男性の薬剤服用が胎児異常発生をきたすメカニズムとして、理論上では2つ考えられます。

ひとつは、精液に分泌された薬剤成分がパートナーの腟粘膜から吸収されて、胎児に作用して起こる可能性です。
しかし、胎児に影響を及ぼすほどの十分な量が、精液を介して女性の血液中に吸収されることは、現実的にはあり得ません。

もうひとつは薬剤が直接精子へ作用する可能性です。これに関しては、薬剤の悪影響を強く受けた精子は、理論上受精能力を失います。仮に受精しても着床しないか、初期に流産すると考えられます。

もし、出生に至ることがあり、胎児異常が認められることがあったとしても、それは染色体異常か遺伝子レベルでの異常であり、男性が服用した薬剤とは関係ありません。

以上のことから、男性が服用している薬剤が胎児に対して影響を及ぼすことはないと考えられます。

 

 

念のため、2つの薬剤は注意

ただし、添付文書上、父親の使用に注意が必要な薬剤が2つあります。

 

「コルヒチン(痛風治療薬)」

痛風治療薬のコルヒチンは、細胞分裂に影響を及ぼす可能性があるため、「子供を持とうと計画している夫婦に対して、夫婦いずれかのコルヒチンの内服は、妊娠成立3ヶ月前から中止することが勧められる」とメーカーではコメントしています。

 

「メトトレキサート(抗悪性腫瘍薬、抗リウマチ薬)」

抗悪性腫瘍薬、抗リウマチ薬として用いられるメトトレキサートについては、その根拠は不明ですが、「男性に投与した場合にもメソトレキサート投与中と投与終了後3ヶ月間はパートナーの妊娠を避けるように」と、アメリカでの添付文書には記載があります。

ただし、どちらの薬剤についても、男性の服用と胎児異常を関連付ける報告は現在のところありませんので、気にする必要はないと思われます。

 

 

通常の精液にも約20%の割合で形態的な奇形のある精子が含まれています。受精は数千万個以上の精子のうち1個により起こるので、万が一、ある薬剤によって精子の奇形率が多少増加しても、ほとんど影響はありません。
つまり、胎児への影響を気にせず、男性は薬剤を服用してもかまいません。

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