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院長コラム

男性にも備わっている“育児本能”

育児はお母さんだけでなく、父親と協力して行うことが大切です。
このことは、男女平等という社会的な背景だけではなく、ヒトの進化という観点からも重要であるとのことです。
今回は、「エストロゲンと女性のヘルスケア」(メジカルビュー社)を参考に、男性にも備わっている“育児本能”について情報共有したいと思います。

 

男性ホルモンとは

女性に特徴的な体型をもたらすホルモンがエストロゲンであるように、男性に特徴的な体型をもたらすホルモンは、テストステロンに代表される男性ホルモンです。
主に精巣で作られるテストステロンは、筋肉を発達させ、脂肪が少なめな体型を作ります。
また、テストステロンは骨髄での赤血球の産生を刺激し、赤血球を増やします。
このように、テストステロンの作用により、男性は激しい運動や闘争に適した体格となります。

 

子供が生まれる前の男性ホルモンの役割

テストステロンが多くなると、異性への関心や性欲が高まり、ライバルに対する闘争心がかき立てられます。
男性は女性に対して積極的に求愛し、女性や生まれてくる子供たちのために居住環境を確保して外敵から守ろうとします。
このような男性の積極果敢な性格や行動も、テストステロンの影響と考えられています。

 

子供が生まれた後の男性の役割

しかし、子供が生まれると、テストステロンが本来持つ役割は低下します。
元気な子孫を残すためには、母親だけでなく、男性も育児に参加する方が合理的であると考えられ、闘争心や性欲をあおるテストステロンはむしろ邪魔になります。
ある調査によると、育児に費やす時間が長くなるほどテストステロンは低値になるとのことです。
ヒトの赤ちゃんは他の動物と比較して、未熟な状態で生まれてくるため、一人で生活できるようになるまで長い時間が必要です。
父親が自分の子供と接することでテストステロンの分泌を減らし、育児に関心を向けるようになることは、人類の進化の過程で刷り込まれた本能と考えられています。

 

男性にも育児参加を促すために、国が主導して育児休暇取得を推進しています。
ここ数年で男性の育児休暇取得率は上昇してきましたが、いまだに6%程度とのことです。
「育児は母親と父親の共同作業であることが、ヒトにとっては自然なこと」
この考えを、社会全体が共有できるようになればと思います。

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