更年期女性の動脈硬化性疾患予防のための食事|世田谷区の産科・婦人科

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院長コラム

更年期女性の動脈硬化性疾患予防のための食事

女性ホルモンのエストロゲンには血管の内側にある細胞を保護する作用があるため、閉経前の女性は同年代の男性と比べて動脈硬化性疾患(心筋梗塞、脳卒中など)が低いことが知られています。ただし、閉経後にエストロゲンの分泌が急激に減少すると、女性でも動脈硬化性疾患が増加します。
従って、閉経後はもちろん、閉経前から動脈硬化を防ぐための生活習慣を改善しておくことが大切です。
今回は、「女性医学ガイドブック 更年期医療編 2019年度版」(日本女性医学学会編)を参考に、更年期女性の動脈硬化性疾患予防のための食事について、情報を共有したいと思います。

 

 

(1) エネルギー摂取量の適正化

ご自身の体重が適正体重であるかを確認し、標準体重を計算します。

・ BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
・ 標準体重=身長(m)x身長(m)x22

《BMI≧25:肥満の方》 
エネルギー摂取量(kcal/日)=標準体重(kg)x25~30(kcal)
を目指しますが、初期段階では現状より250kcal/日程度減らすようにします。

《18.5≦BMI<25:標準の方》
推定エネルギー必要量(kcal/日)=基礎代謝基準値x体重(kg)x身体活動レベル
* 閉経前後の女性の場合、基礎代謝基準値は約21、身体活動レベル(ふつう)は1.75が目安です。

《BMI<18.5:やせの方》
エネルギー摂取量(kcal/日)=標準体重(kg)x30~30(kcal)

 

 

(2) 食事管理

○ 飽和脂肪酸(肉の脂身・バターなどに含まれます)は、血糖を下げるインスリンの働きを抑え、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を増加させるため、過剰摂取は避けましょう。

○ n-3系多価不飽和脂肪酸(EPA・DHA:青魚などに含まれます)は中性脂肪を低下させるほか、血圧低下作用、血管内皮機能の改善作用など、動脈硬化を防ぐ多くの効果が期待できるため積極的に摂取しましょう。

○ 食物線維には腸管での脂肪吸収の抑制効果や食後血糖値の上昇を抑える効果が知られています。特に、未精製穀類・マメ科・海藻類などに多く含まれている水溶性の食物線維には、LDLコレステロールの低下作用が認められます。

○ 大豆・大豆製品には、植物性エストロゲンといわれるイソフラボンが含まれており、心筋梗塞や脳梗塞の発症抑制との関連が指摘されています。また、野菜や果物はビタミン、ミネラル、食物線維が豊富であるため、積極的に摂取することが望ましいです。ただし、果物の過剰摂取は、摂取カロリーが高くなることがありますのでご注意下さい。

 

 

(3) 食習慣・食行動など

○ 朝食・昼食・夕食を規則的にとる
○ 腹八分目とする
○ 就寝前2時間は摂食しない
○ よく噛んで食べる
○ 薄味にする(食塩摂取6g/日未満)
○ 日本食パターンの食事を心掛ける

 

 

将来、更年期女性が動脈硬化性疾患のリスクを減らすためには、まず現在のご自身の体格や生活習慣を客観的に捉える事が大切です。
できれば、エストロゲンがご自分を守ってくれているご年齢から、食生活に注意して頂きたいと思います。

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