HOME > 院長コラム > 子宮筋腫に対する薬物療法の特徴

院長コラム

子宮筋腫に対する薬物療法の特徴

子宮筋腫は子宮筋の良性の“コブ”で、30歳以上の女性の20~30%にみられるといわれています。その数、大きさ、場所などによって、過多月経、月経困難症、下腹部痛、貧血、頻尿、便秘、不妊など、様々な症状をきたします。
子宮筋腫の治療には、主に薬物療法と手術療法がありますが、当院では薬物療法を行っています。
今回は、子宮筋腫に対する薬物療法の特徴について説明します。

 

偽閉経療法

子宮筋腫は、卵胞から分泌される卵胞ホルモン(エストロゲン)と、排卵後の黄体から分泌される黄体ホルモンにより増大することが知られています。
そこで、人工的にエストロゲン・黄体ホルモンの血中濃度を抑制することで子宮筋腫を縮小させる「偽閉経療法」が薬物療法の主流となっています。
ただし、長期投与による骨密度低下といった副作用があるため、原則として最長6か月しか保険診療上は認められていません。また、6か月以内の使用でも更年期症状がみられる場合があり、漢方薬を併用するケースもあります。
当院では、主に以下の3種類の薬剤を使用しています。

  • 内服薬:レルミナ錠

レルミナ錠は、月経周期1~5日目から1日1錠ずつ、毎日同じ時間の食前に服薬して頂きます。服用後早期にエストロゲンレベルが低下し、通常は次の月経から抑えることが可能です。
ただし、飲み忘れや食後に服薬するなど用法を守らないと、不正出血が続くことがあります。
粘膜下筋腫のため過多月経をきたしている方、貧血をきたしている方、毎日の服薬が苦にならない方にはレルミナ錠がお勧めです。

  • 皮下注射薬:リュープロレリン注1.88

初回は月経1~5日目に投与し、以降は4週ごとに合計6回まで皮下注射致します。
レルミナ錠と同等の効果ですが、月に一回通院すればよく、ご自身で使用する必要はありません。
そのため、毎日同じ時間に服薬することが難しい方や、胃腸が弱く内服薬を服用したくない方にお勧めです。
ただし、使用開始2か月後の月経から抑えますが、使用開始した次の月経はかえって重くなることがある旨、ご了承下さい。

  • 点鼻薬:スプレキュア点鼻薬

月経1-2日目から、左右の鼻腔内に各1噴霧を1日に3回行います。
前者2つに比べて効果はやや弱いですが、更年期症状などの副作用も軽く、食事の影響を気にせず使用できます。

 

閉経後、子宮筋腫はあまり大きくならず、過多月経による貧血の心配もないため、“自然閉経までの逃げ込み”として薬物療法を使用することが多いです。
ただし、あまり大きい筋腫は、閉経後に小さくなることはあまり期待できず、血栓症や腎不全など重篤な疾患を引き起こす可能性があります。
当院では、手術療法が望ましいと判断した場合は、高次施設へ紹介させて頂いております。

ページトップへ