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女性ホルモン分泌の調節について

思春期から更年期の女性の場合、脳にある視床下部・下垂体と卵巣・子宮内膜との間でやり取りされている様々なホルモンによって、月経・排卵が調節されています。
今回は、性成熟期の女性ホルモンの分泌調節について説明します。

 

(1)視床下部→下垂体のホルモンの流れ

思春期以降になると、脳内の視床下部から「ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)」というホルモンが分泌されます。
GnRHは、同じく脳にある下垂体に働きかけて、ゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)と呼ばれる卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)の産生および放出を調整します。
ちなみに、月経後はFSH、排卵前はLHを分泌します。

 

(2)下垂体→卵巣のホルモンの流れ①

月経が始まると、下垂体から分泌されたFSHは卵巣にある卵胞(卵子を入れている袋)を刺激します。その影響で卵胞はしだいに大きくなり、卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌されます。

 

(3)卵巣(卵胞)→子宮内膜および視床下部のホルモンの流れ

エストロゲンは子宮内膜を肥厚させる作用があります。
これは、妊娠の際、受精卵が内膜に着床するためには、ある程度の子宮内膜の厚みが必要になるからです。
また、エストロゲンは視床下部にも作用し、GnRHの分泌を促すことで下垂体からLHを分泌させます。

 

(4)下垂体→卵巣のホルモンの流れ②

下垂体から分泌されたLHは、大きく成熟した卵胞に作用し、排卵を促します。
排卵後、その卵胞は黄体という組織に変化します。
このように、結果的にLHが卵胞を黄体化させることになるため。このホルモンを黄体化ホルモンといいます。

 

(5)卵巣(黄体)→子宮内膜のホルモンの流れ

黄体からは黄体ホルモンとエストロゲンが分泌されます。
黄体ホルモンは、子宮内膜の増殖を抑制し、受精卵が着床しやすい環境に調整する働きがあります。つまり、子宮内膜はエストロゲンの作用で厚くなり、黄体ホルモンの作用で妊娠に適した環境へと変化します。
もし、排卵から2週間経過しても受精卵が内膜に着床しなければ、黄体は縮小し、黄体ホルモンもエストロゲンも分泌量が急激に低下します。すると、内膜が剥がれ落ち、血液と共に排出されます。これが月経です。

 

以上のような視床下部―下垂体―卵巣―子宮内膜のホルモンの流れが、妊娠期・授乳期を除き、思春期から更年期まで毎月行われます。
卵巣機能不全、排卵障害、避妊、月経困難症、子宮筋腫・子宮内膜症・子宮腺筋症に対するホルモン療法は、この生理的なホルモンの流れを利用したものです。
ホルモン療法をされている方は、以上のようなホルモンの流れをイメージすると、治療の意味が分かりやすくなるかもしれません。

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