院長コラム

当院における“陣痛緩和”対策

当院では硬膜外麻酔などによる無痛分娩は行なっていませんが、少しでも陣痛を緩和させるような取り組みを行なっています。
今回は、当院における“陣痛緩和”対策を3つ紹介致します。

 

 

マタニティ・ヨガ

多くの産科施設で行なっているマタニティ・ヨガですが、当院でも研修を受けた助産師が講師を務め、妊娠16週以降の妊婦さんを対象に行なっています。マタニティ・ヨガ
には、妊娠中の腰痛・肩凝りの緩和や予防、安産に繋がる分娩に適した体作りなど多くの意義があります。そして、マタニティ・ヨガの出席回数が多い方ほど、本番の分娩時はとても落ち着いてお産に臨まれており、結果的に痛みが和らぎ安産となっているようです。
そのため、ご都合が良ければ全ての妊婦さんにマタニティ・ヨガへご参加頂きたいと思っています。特に、当院で分娩をご希望される初産の方には、原則として1回以上ご参加頂くことをお願いしています。

 

 

親子お手玉

以前、先代の院長が手術を受けた際、術後の疼痛が激しく思わず布団や枕を握り締めていたところ、次第に痛みが和らいできたそうです。そこで、「何かを握り締めること」が陣痛の緩和にもなるのではと考え、先代が自らの経験から考案したのが「親子お手玉」です。
「親子お手玉」は当院スタッフの手作りで、妊娠36週頃の妊婦健診の際にお渡ししています。大きさの異なる二つのお手玉が紐で繋がれており、大きなお手玉はお母さん、小さいお手玉は赤ちゃん、そして紐は臍の緒、つまり母と子の絆を表しています。
使い方は自由ですが、陣痛を逃す際にお手玉を握って頂いて、胎児との一体感を感じつつ痛みを和らげて頂ければと思っています。

 

 

お気に入りのBGM

当院では陣痛を和らげるため、陣痛室や分娩室でお気に入りのBGM(歌入りでもOK)をかけて、お産に臨んで頂けます。こちらでもイージーリスニング系やクラシックなどのCDを準備しておりますが、過去にはご自身がご持参されたJポップやヘビメタ、ラップやハワイアンなどを聴きながらお産された方もいらっしゃいます。
先日は大のタカラヅカファンの妊婦さんが、今秋で引退される花組の明日海りおさんの「ファンタジア」を流しながらお産をされました。陣痛間欠時には歌を口ずさみ、陣痛時には上手な呼吸法で痛みをコントロールされて、とてもスムーズに分娩が進行し安産となりました。当院スタッフの中にもタカラヅカファンが多いため、大変印象に残るお産となっております。

 

 

以上はあくまでも陣痛を軽減するささやかな工夫ですが、その前提として、妊婦さんが安心して分娩に望むための環境作りが大切であると考えています。
当院では陣痛が始まってからお産になるまで、優しくて経験豊富な助産師ができるだけそばにいて、妊婦さんを不安にさせないように心掛けています。