院長コラム

当院における妊婦さんへの新型コロナワクチン接種について

妊婦さんが新型コロナウイルスに感染すると重症化することが知られており、世界的にも妊娠中の新型コロナワクチン接種が推奨されています。
また、妊婦さんがワクチンを接種すると、胎児にも抗体が移行するといわれています。
当院でも7月下旬より、当院で妊婦健診をされている方に限り、ファイザー社製の新型コロナワクチン接種(3週間隔で2回接種)を始めました。
今回は、当院における妊婦さんへの新型コロナワクチン接種について説明します。

 

接種対象者

当院分娩予定の方だけでなく、他施設分娩予定の方でも、当院で妊婦健診をされている妊婦さんであれば、ワクチン接種の対象としています。
また、接種券をお持ちであれば、世田谷区以外の方も可能です。

 

妊娠週数

原則として、妊娠期間どの時期であっても、ワクチン接種が赤ちゃんや妊娠経過に悪影響を及ぼすことはないといわれています。
ただし、赤ちゃんが形作られる器官形成期(妊娠12週頃まで)のワクチン接種の影響をご心配される方もいらっしゃいます。また、つわりの時期にワクチン接種の副反応が出現すると、大変辛くなることも予想されます。
そこで、当院では原則として、妊娠13週以降に接種をすることに致しました。
ただし、「妊娠13週未満にワクチンを接種しても、胎児の奇形や流産などのリスクは高くならない」ということをご理解頂いている方であれば、接種する場合もございます。
また、人によってはワクチン接種の副反応が強く長く出現する場合があるため、陣痛と副反応がなるべく重ならないよう、妊娠35週台までに一回目を接種、妊娠38週台までに2回目を接種することを当院では推奨しています。

 

里帰りなど他施設で分娩される方

妊娠32週まで当院で健診、妊娠34週から分娩施設に戻られることが多いため、妊娠29週台までに一回目を接種、妊娠32週台までに2回目を接種して頂いております。

 

ワクチン接種枠と予約方法

当院のワクチン接種枠は木曜日と土曜日の13:30~15:30の2時間で、10分刻みで予約をお取りしています。
予約方法は、健診の際に直接窓口にお申込み頂くか、土曜日の13:00~15:00の間にお電話でご予約頂いております。

 

ワクチン接種の流れ

予約時間になりましたら、コロナワクチン接種券、予診票(あらかじめご記入願います)、予約票をお持ち頂き、受付をお願いします。
その後、院長の問診で接種可能と判断した場合は、胎児心拍を確認し、利き腕ではない腕の肩に筋肉注射します。注射の痛みはほとんどありません。
接種後は30分ほど待合室で安静にして頂き、その途中で接種後の胎児心拍を確認致します。
30分経過し、気分不快などがないことを確認した後、お帰り頂きます。

 

都内の新型コロナウイルス感染者数が1日4,000~5,000人を上回る日が続いています。
妊婦さんの感染源は家庭内が多いと言われていますが、いくら注意をしていても感染する可能性があります。
重症化させないためにも、妊娠中のワクチン接種をお勧めします。