妊娠成立のメカニズム|世田谷区の産科・婦人科

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院長コラム

妊娠成立のメカニズム

妊娠を希望されている方も、妊娠を避けたいと思っている方も、どのように妊娠が成立するかを知らない方がいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は妊娠成立のメカニズムについての概略を説明します。

 

 

排卵までの流れ

卵巣にある卵胞(卵子を入れている袋)は、脳にある下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモン(FSH)によって発育します。その際、卵胞から分泌される卵胞ホルモン(エストロゲン)が増加し、月経により剥がれ落ちた子宮内膜を増殖させます。

月経開始から約2週間後、卵胞が18~20mm以上に発育・増大すると、下垂体から分泌される黄体化ホルモン(LH)の作用により破裂し、卵子が腹腔内に排出されます。

ちなみに、挙児希望の方に性交のタイミングをアドバイスする場合、排卵直前と思われる時期にご来院頂きます。超音波検査で卵胞が十分に成熟しているかどうか確認し、排卵検査キットを用いて尿中にLHが十分に排出しているかをチェックすることで、排卵日を予測します。

一方、避妊を考える場合は、卵胞が発育して排卵するのを防ぐため、月経開始日から経口避妊薬(OC)を確実に服用して頂く事を推奨します。

 

 

射精から受精までの流れ

排出された卵子は卵管の先端にある卵管采に捉えられ、卵管の中を子宮に向かって移動します。ちょうど排卵の時期に性交すると、精子は腟から子宮頚管、子宮腔を経て卵管に入ります。
ちなみに、射精された直後に数千万~数億個もいた精子ですが、大部分が道中で淘汰され、卵管にたどり着けるのは400~600個程度と言われています。

卵管の先端から移動している卵子と子宮から卵管に進入した精子は、卵管膨大部で出会います。その頃には精子の数も更に約60個程度に絞られ、最終的にその中の選ばれし1個の精子だけが、めでたく卵子と受精します。

ちなみに、排卵後の卵胞は黄体という組織に変化し、エストロゲンとプロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌します。そのプロゲステロンの働きによって、増殖した内膜は受精卵が接着(着床)しやすいように変化します。

挙児希望の方でプロゲステロンの分泌が少ない黄体機能不全の方に対しては、妊娠維持のために黄体ホルモン製剤を投与することがあります。

尚、避妊目的でOCを服用している方の場合、子宮頸管粘液がバリアのように変化することで、精子が子宮内に進入することを防いでいます。また、OCの作用で子宮内膜が薄くなり、受精卵が着床しないようにもしています。

 

 

受精卵の移動から着床までの流れ

卵子と精子が受精すると受精卵となり、細胞分裂を繰り返しながら、子宮内腔を目指して移動します。排卵後約1週間(月経開始から約3週間)で子宮内膜に到達し、着床します。

着床後、絨毛(将来胎盤になる組織)という組織が形成され、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)というホルモンが産生されます。このホルモンの働きにより、黄体を妊娠黄体に変化させて、妊娠を維持するためにエストロゲンとプロゲステロンの分泌を増加させます。

ちなみに、着床から約1週間後(月経開始から約4週間後)には、尿中にhCGが排出されます。妊娠検査薬は、この尿中のhCGの濃度で妊娠しているかどうかを判定しています。
例えば月経周期が28日型の方の場合、もし月経開始から2週間前後に性交し、月経予定日(前回月経開始から約4週間後)を過ぎても月経がこなければ、妊娠反応で陽性となる可能性があります。

 

 

今回のコラムで、挙児希望の方も、避妊をしたい方も、①排卵②射精③受精④着床という妊娠成立の流れがイメージできて、少しでもご参考になりましたら幸いです。

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