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院長コラム

双子を妊娠された妊婦さんへ

当院のような小さな施設でも、自然に、あるいは不妊治療によって双子を妊娠(双胎妊娠)された方を診察することがあります。
ただし、双胎妊娠の周産期管理はリスクが高いため、個人医院である当院では分娩対応はしておらず、早めに高次施設へ紹介しております。
今回は、日本産婦人科医会発行の研修ノートなどを基に、双胎妊娠の概略について説明致します。

 

 

双胎妊娠の種類

双胎以上の多胎妊娠の割合は自然妊娠で約1%ですが、排卵誘発剤などを用いた不妊治療による妊娠では約16%で、その内98%は双胎と言われています。
胎児は、将来胎盤になる絨毛膜と、胎児・羊水が入っている羊膜の二種類の膜に包まれています。これら絨毛膜と羊膜の数の違いで、双胎妊娠は以下の3つに分類されます。

 

① 二絨毛膜二羊膜性双胎

二人の胎児が別々の胎盤を持ち、別々の羊膜に入っている双胎で、全双胎の約60%を占めます。二卵性双胎は全てがこのタイプ、一卵性双胎の25~30%がこのタイプになります。周産期死亡率や児の神経学的後遺症などのリスクは、3つのタイプの中で最も低いです。

 

② 一絨毛膜二羊膜性双胎

二人の胎児が一つの胎盤を共有し、別々の羊膜に入っている双胎で、全双胎の約40%を占め、一卵性双胎の70~75%がこのタイプになります。一絨毛膜双胎では、臍帯の血管が胎盤と繋がっているだけでなく、それぞれの胎児の間で吻合している血管があります。そのため、二人の胎児の間で血液のやり取りが行われ、一児の胎児発育不全、胎児死亡など双胎間輸血症候群という病態を引き起こす可能性があります。その影響で、一絨毛膜性の胎児のリスクは、二絨毛膜性双胎の約5倍とも10倍とも言われています。

 

③ 一絨毛膜一羊膜性双胎

二人の胎児が一つの胎盤を共有し、同じ羊膜に入っている双胎で、全双胎の1%未満と非常に稀なタイプです。しかし、一絨毛膜二羊膜性双胎よりも、さらに胎児リスクは高くなります。

以上のように、絨毛膜と羊膜の数の診断(膜性診断)は胎児の予後と直結するため、より正確に膜の数が確認できる妊娠10週頃を目安に診断します。

 

 

双胎妊娠が母体に与える影響

○ 早産・前期破水

双胎妊娠は単胎妊娠に比べて子宮壁が過度に増大するため子宮収縮が起こりやすく、早産や前期破水のリスクが高いといわれています。平均分娩週数は34~35週前後であり、人工呼吸器が必要となる可能性が高い妊娠32週未満での早産率は10~15%(単胎では約1%)とかなり高率になります。

 

○ 妊娠高血圧症候群(高血圧、蛋白尿)

胎児が二人になることで、循環血液量が増加し、母体の循環器・腎臓への負担が増大します。その結果、双胎妊娠の妊娠35週以前の妊娠高血圧症の発症頻度は単胎の約12倍、重症妊娠高血圧腎症は約7倍と高くなり、その発症時期も早く、重症化しやすいといわれています。

 

○微弱陣痛・弛緩出血

子宮壁が伸びきった状態が続くと、子宮の収縮力が弱まるため、分娩時であれば微弱陣痛、分娩後であれば弛緩出血に注意する必要があります。

その他、妊娠糖尿病、母体貧血、常位胎盤早期剥離、血栓症なども、単胎妊娠に比べて双胎妊娠のリスクが高くなるため、妊娠期間を通じた厳重な母体管理が必要です。

 

 

当院の近隣で分娩をご希望される方には、国立成育医療研究センターや日赤医療センターなどの高次施設へ、妊娠8~10週を目安に紹介しております。
また、里帰り分娩ご希望の方には、NICU(新生児集中治療室)・MFICU(母体胎児集中治療室)を有している地元の高次施設を捜して頂き、原則として妊娠16週頃には早々に帰省して頂く様、お願いしております。
以上の件につきまして、ご了解の程、宜しくお願い申し上げます。

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