院長コラム
“ピンクリボン月間”スタート
毎年10月はピンクリボン月間です。
ピンクリボン運動とは、乳癌に関する正しい知識の普及と、乳がん検診の受診を啓発する世界的なキャンペーンです。
特に本日からの一か月間は、各地で様々なイベントやセミナーが開催され、ピンクライトアップ(東京都庁では10/1~10/12)も行われます。
今回は、当院での乳がん検診および地域の乳腺専門施設との連携について説明します。
世田谷区における乳がん検診事業
40歳以上で偶数年齢(その年の4月1日から翌年の3月31日までの年度)の女性区民の方が対象です。乳がん検診受診券を用いると、自己負担金1,000円で検診が受けられます。
ただし、妊娠中または妊娠の可能性がある方、授乳中の方(ただし卒乳後6ヶ月以降は可能)、乳房疾患で治療中または経過観察中の方、豊胸手術を受けた方などは、世田谷区の乳がん検診は受けられません。その場合は自費または保険診療として、個別に対応します。
検診内容は、視触診とマンモグラフィ(乳房専用のレントゲン撮影)です。当院ではマンモグラフィは行っておらず、視触診のみですが、全例に乳房超音波検査(追加料金なし)を併用しています。
当院での検診の流れは以下のようになります。まずマンモグラフィを該当医療機関にご予約頂いてから、当院での視触診(含超音波検査)の日程をご予約の上、受診して頂きます。その後、マンモグラフィを受けて頂いてから、最終的な検査結果を当院でお伝えします(視触診を行った日から約5週間後)。
40歳以上の方はできるだけ検診を受けましょう。尚、当院では、ホルモン補充療法を行っている閉経後の方に対し、世田谷区などの自治体や企業または人間ドックなどでの乳がん検査を必須としています。
40歳未満・妊娠初期・産褥期の乳房超音波検査
40歳未満の方は乳腺組織が多く、マンモグラフィよりも超音波検査の方が適していると言われています。自覚症状がなくても、当院では子宮頚がん検査と一緒に乳房超音波検査(税込み2,300円)が可能です。
また、妊娠中や産褥期に乳がんを認めることも稀にありますが、検診としてマンモグラフィはできないため、当院では妊娠12週頃と1ヶ月検診の際に、ほぼ全例に乳房超音波検査を行っています(2,200円)。
乳腺専門施設との連携
玉川エリアでは乳腺外科・ブレストクリニックが、質・量ともに充実しています。クリニックとしては、桜新町の「濱岡ブレストクリニック」、二子玉川の「二子玉川ブレストクリニック」、上野毛の「上野毛あだちクリニック」、目黒区自由が丘の「自由が丘みきブレストクリニック」、病院では駒沢公園そばの「東京医療センター」、上用賀の「関東中央病院」、瀬田の「日産玉川病院」など、乳腺専門施設との連携にも当院では力を入れています。
乳房疾患のスクリーニングは婦人科医の任務の一つであると、私は考えています。これからも、更なる乳房超音波検査の精度向上のため、日々研鑽を積んで参ります。
定期的な乳がん検査はもちろん、乳房関連で気になることがございましたら、是非ご相談下さい。